■あらすじ
●大和田房子…戦争未亡人
●君島夏子…和子の実の妹、ダンサー
●栗山…和子の働く会社の社長、女癖悪い
●大和田久美子…和子の義理の妹
1948年。
戦争未亡人になった房子は可愛い我が子まで病で亡くしてしまう。
亡き夫の戦友だった栗山の好意で彼の会社の事務員として働いているが、実は栗山の愛人にもなってる房子。
そんな房子の前にダンサーとなった妹夏子が現れる。
再会を喜び合う姉妹は、房子のアパートに夏子がくる形で同居が始まった。
華やかな夏子と、彼女のいる世界に憧れる久美子。
だがある日房子は、栗山と夏子が自分のいない間に逢引きしている現場を見てしまった
房子はその場を立ち去ってしまう。
夏子は房子が娼婦になっているという情報を耳にして彼女らのたまり場に行ってみる。
そこで「娼婦は逮捕じゃー」という警察に捕まってしまった。
性病を持ってるかどうか病院で検査されるねん。
「私違います」言うても「そこにいただけで同類にみられる」の巻。
放り込まれた病院でまたもや偶然再会する姉妹。
姉はすっかり娼婦の姐御になってはった。
おまけに夏子は栗山の子を妊娠し、しかも梅毒。
そのころ、戦後を謳歌しようとしていた久美子は男に騙されて貞操を失った挙句、娼婦に身を落としていた。
娼婦になる率高すぎ。
こういう時代やねん。
自暴自棄になる夏子を病院に連れていく房子。
しかし赤ん坊は死産。
夏子は「今度はきっちり子供産んだるわ!」と豪語。
その前に梅毒治そうぜ
娼婦の女たちの中に久美子を見かけた房子は
久美子を家に連れ戻そうとするが
「娼婦から抜けるには、それなりの儀式があるんやでぇ」
という娼婦の掟に従い、房子はリンチを受ける。
房子に世話になった娼婦たちが房子と久美子を逃がしてくれ、二人はボロボロになりつつ家を目指すのだった。
■おしまい
■感想
出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B00I0JHTM0
なにぶん古い映画なので、音声が悪いです。
プップッ…という音が入ってたり音飛びがあったり。
それでも、
1948年ってこんな感じと言う雰囲気は良く出てました。
ヒロインの名前がサイトにより
房子だったり和子だったりしてます。
こちらではWOWOWさんに則って房子に。
溝口健二監督。
田中絹代主演。
いったい何人の人が「名前を聞いて誰かわかる」んやろ。
モノクロで描き出される戦後の闇。
今時の「ジェンダー」「性的搾取」言うてる人がこれを観たらどう思うのか?
放送することすら禁止やわ!となるのか。
どっちなのかしらん。
もうどうなったっていいのよ!と投げやりになる夏子に対し、
地上波ならピー音が入りそうな言葉で叱る房子。
貞淑な妻であり献身的な母であった房子の転落…というか、房子自身は「男に対する復讐」のつもりですが。
夫を亡くした女性が働くとなると、そこにはまた男の魔の手が忍び寄るという哀しみ展開。
そんな房子に対しある意味享楽的であった夏子が「娼婦なんてしちゃダメ」という概念を持ってるのにびっくり。
NTRは良いけど娼婦はあかんのか。
この時代の倫理観、わからんよし。
一番気の毒なのは久美子。
虐げられている房子に同情的で、尚且つ明るくきらびやかな夏子のいる世界にあこがれるぅ!
そんな久美子が男に騙されて堕ちるところまで堕ちて、
「洋服ひん剥かれ要員」ポジなのがかわいそう。
いろんな女性たちが出てきて、ほとんどが蓮っ葉で娼婦。
差別用語が飛び交うこの映画。
なかなか観る機会はないかもですが
戦後の歴史に興味のあるかたは是非。
この時代では、マダムは生きて行けへん。
そう思ったのは、考え方とかではなく。
クソ寒い季節なのに、
一般のご家庭では家は開けっ放しで暖房器具は火鉢くらい…。
戦後で物がない時代とは言えど
無理
この暖かいエアコン生活に慣れた身には、
こんな生活無理!
この映画のテーマは。