4月21日に書籍「おひさま もっちゃん! 漫画家パパの育児日記」の発売が決まった丸本チンタさん。そんな丸本さんに漫画化を目指したきっかけや、かわいい愛娘もっちゃんの育児についてなど様々なお話を伺いました。

 

妻に給料で負けたのが漫画家になるきっかけ!?
 高校を卒業してすぐに工場に就職して、僕が21歳のときに妻と出会ったんです。そのとき彼女は大学4回生で、大阪で就職するか故郷の富山に帰るか迷っていたときでした。

 

 付き合うようになって大阪に残ったんですが、就職したての彼女の給料が僕の給料よりもかなりよくて「あ、そんなに違うの?」と。彼女が働いていたのが不動産系の仕事だったので、それで給料がよかったというのもあるんですが。

 

 社会人3年目ってちょうど悩む頃じゃないですか。繰り返す毎日の中で「このままオレは死んでいくのかな~」と思っていたときに妻に給料で負けて、それで逆にスッキリしたというか、「好きなことで勝負しよう」となりました。ちなみに現在の妻は別の職種の会社に転職しています。

 

高校時代に出会った「ネジ式」の衝撃
 元々絵を描くことは好きだったのですが、高校の途中までは漫画家になろうなんて考えたことはありませんでした。

 

 高校の授業でいつも寝ていた僕に、先生が「お前はこれでも読んどけ!」って言ってつげ義春さんの「ネジ式」を教卓から投げつけてきたことがあるんですよ。固くて分厚いハードカバーの本でした(笑)。

 

 僕の漫画家としての可能性を感じてそれを伸ばすためとかではなくて、とりあえず起きとけみたいな意味で投げつけてきたんですが、その本の最初に収録されていた「ネジ式」という短編漫画を読んで、衝撃を受けました。

 

 それまで「週刊少年ジャンプ」のような少年誌しか読んでいなかったので、「こんなことやっていいんだ」と驚きました。本当に強烈でインパクトがありましたね。同時期に、それまではあまり読んだことのなかった手塚治虫さんの漫画も読むようになって。手塚さんやつげさんの漫画など、僕の世代からすると少し前の漫画に影響を受けたのが「漫画家っていいな」と思ったきっかけのひとつですね。

 

 読み手としては「週間少年ジャンプ」を楽しみ、描き手としては手塚さんやつげさんの漫画に触発されました。ただ、そんな簡単な世界じゃないということもわかっていたので、その当時はまだ漫画家になろうとまでは思わず、普通に就職する道を選びました。


「今描いている漫画が一番好き」と言ってくれる妻

 ブログを始めたのは、まず記録のためというのがあります。日記とかをつけるタイプではないので、漫画で残すというのはいいなと思いました。また、子供とのリアルな経験を記録しておけば、いつかオリジナルの漫画に活かせそうだなというのもありましたね。

 

 日々忙しいので出来事を忘れちゃうんですよね。でも漫画を描くために毎日起こったことをメモする習慣もできて、それが漫画になって「ああこんなことあったよね」って夫婦で言い合うような機会もできました。妻は今ブログで公開している漫画が一番好きだって言ってくれています。

 

5歳にしてすでにオシャレに夢中

 娘がしゃべっていることは、すでに大人の女性と変わらないですね。バザーとかに行ってもあれかわいいとかこれかわいいとか、最近ではコーデがどうのとか言ってますからね。コーデですよ、コーデ。

 

 それでいて変なファッションをすることもあるのがおもしろいですよね。娘のファッションにダメ出しして、めちゃくちゃ怒られたこともあります(笑)。

 

 子供はいつか巣立ってしまうものですが、僕自身が親から離れるのが結構早かったので、娘ももしかしたらそうなるのかもなと思っています。ですので、もうすでに覚悟しています。ただ、とにかくすごく明るい子なので、いなくなったら静かになるな、寂しくなるなという話は妻としています。

 

娘の成長とともにブログも姿を変えていく

 最終的にはオリジナルの作品を描きたいなっていうのがあるので、今までの経験を生かしたもの、たとえば家族愛をテーマにしたものとかをどこかで作りたいというのを思っています。

 

 今の僕のブログの漫画を読んでくださっている読者の皆さんは、娘のもっちゃんのファンの方が多いと思うのでなかなか変えづらいんですが、これから徐々に娘も大きくなってネタも少なくなってくるかもしれないので、今後は自分自身のエッセイなども入れていきたいと思っています。僕の町工場時代の話とかを入れてみてもいいかなと思っています。

(イラスト:丸本チンタ)

 

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おひさま もっちゃん! ~漫画家パパの子育て日記~