【ヌサドゥア(インドネシア)時事】インドネシア・バリ島で開かれていた世界貿易機関(WTO)の閣僚会議は7日、難航していた新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)で、貿易円滑化など3分野の「部分合意」を盛り込んだ閣僚宣言を採択、閉幕した。ドーハ・ラウンドが2001年に始まって以来、具体的成果が出たのは初めて。
 焦点だった農産物への補助金の扱いをめぐり、激しく対立していた米国など先進国とインドが妥協。貿易円滑化の文書表現に不満を表明した中南米諸国も最終的に受け入れた。多国間の貿易自由化を目指すWTOの交渉機能がまひし、威信が失墜する最悪の事態は土壇場で回避された。
 WTOのアゼベド事務局長は閉幕に当たって「WTO発足以来初めて合意の責務が果たせた」と成果を強調した。
 加盟159カ国・地域が合意したのは、輸出入を促進するために税関手続きを簡素化する「貿易円滑化」、発展途上国の食糧安全保障を目的とした補助金の特例など「農業の一部」、後発発展途上国に対する優遇措置である「開発」の3分野。
 交渉は途上国による農業補助金が焦点となった。インドはWTO協定に違反する一定額以上の補助金を認めるよう求めた。米国や欧州連合(EU)は補助金で安い農産物が輸出されれば、貿易価格がゆがめられると反対したが、恒久措置ができるまで特例を認めることで決着した。 
強い台風24号は7日、勢力を保ったまま沖縄本島や鹿児島県・奄美地方に接近する見込みだ。気象庁は、両地域が7日昼過ぎから風速25メートル以上の暴風域に入る恐れがあるとして、暴風や高波への警戒を呼びかけている。

 24号は6日午後9時現在、沖縄県・南大東島の南南東約420キロにあり、時速30キロで西北西へ進んでいる。中心気圧は955ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は40メートル。7日の沖縄、奄美両地方は急速に風が強まり、夕方からは猛烈な風となる。その後、九州の西海上を北上し、九州北部・山口に8日夜から9日未明に接近する可能性がある。

 予想される最大瞬間風速は沖縄本島と奄美地方で60メートル。7日午後6時までに九州南部と奄美地方で150ミリ、沖縄地方で100ミリの雨量が見込まれる。
山口県美祢市の中国自動車道下り線で5日発生した死傷事故で、お笑いタレント「桜塚やっくん」(本名・斎藤恭央(やすお)さん)(37)(東京都渋谷区千駄ヶ谷)の死因は心臓破裂などだったことが、山口県警高速隊の調べで明らかになった。

 事故当時、桜塚やっくんがワゴン車を運転していたことも分かった。

 山口県警高速隊の発表によると、同乗者のうち死亡したもう1人は砂守孝多郎さん(55)(埼玉県所沢市御幸町)で、死因は外傷性ショックだった。

 この事故では、桜塚やっくんら計5人が乗ったワゴン車が中央分離帯に衝突、追い越し車線に止まった。桜塚やっくんと後部座席の砂守さんは自力で車から出た後、別々の後続車にはねられた。

 ワゴン車に乗っていたのはバンドの関係者で、6日に熊本県内で開催されるコンサートのために移動中だったという。

 桜塚やっくんは、セーラー服に竹刀を持った姿でテレビ番組に出演し、「がっかりだよ!」の決めぜりふなどで人気を集めた。
みずほ銀行が暴力団員らへの融資を知りながら2年以上、放置していた問題が発覚し、金融庁が業務改善命令を出した。背景には暴力団排除に対する認識の甘さに加え、経営統合前の旧3行意識が残るみずほの企業風土もある。みずほフィナンシャルグループ(FG)の傘下2行合併などの改革がどこまで実を結ぶかが問われる。みずほは事態を重く見て担当役員らの社内処分を検討中だ。

【問題となった自動車提携ローンの仕組み】

 「不祥事はまたみずほか」(大手行幹部)。金融界ではみずほにあきれた反応が広がる。問題となったのはグループの信販会社オリエントコーポレーション(オリコ)などを介した「提携ローン」。みずほは2010年12月に暴力団員などへの融資計230件、総額2億円超を把握していた。ところが「新規の融資を断る」との対応にとどまり、契約解消など根本対策に踏み込まなかった。担当役員は「対応済み」と認識し、経営トップにも報告しなかった。

 旧第一勧業、富士、日本興業の3行合併により誕生したみずほは、旧3行のバランスに配慮した人事が横行。「旧3行が互いをけん制するあまり経営責任があいまいになりがち」(別の大手行幹部)なほか、迅速な意思決定ができない企業風土も問題視されてきた。問題の融資が明らかになった10年末、オリコは旧第一勧銀出身者が社長で、みずほ銀頭取は旧富士銀出身者、みずほ銀の法令順守担当役員は旧興銀出身者だった。こうした配置が抜本対応を遅らせた可能性もある。

 みずほFGは11年3月の2度目の大規模システム障害を受け、大企業向けの旧みずほコーポレート銀と中小企業、個人向けの旧みずほ銀を今年7月に合併。FGの佐藤康博社長がみずほ銀の頭取を兼ねる「ワントップ体制」を敷いたが、こうした銀行の一体化を狙った改革の成果が今後問われることになる。

 問題の提携ローンは、顧客が自動車などを分割払いで購入する場合の審査を信販会社が行い、融資契約は顧客とみずほ銀が結ぶ。仮に顧客が返済できなくなった場合でも、信販会社が顧客の代わりに返済する「保証」をつけるため、銀行はリスクゼロで融資を拡大できる。提携ローン自体は、ほかの金融機関でも行っている一般的な仕組みだが、「審査は信販会社任せにせず、自行でチェックして反社会勢力には貸さない」(大手行)との指摘もある。みずほ銀も、信販会社と情報共有して審査するなどの対応策を検討している。【窪田淳】
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