第二次世界大戦が始まったころ、ユダヤ人の迫害も始まった
殺害から生き残る道は、日本を通過して米大陸に逃れる事
日本通貨のビザを求めてカウナスの日本領事館にユダヤ人がやってくる
当時のユダヤ人はナチスに追われ、ヨーロッパに安住の地はなくなっていた
シベリアを経由して日本を通過して米大陸に逃れることが唯一生き残る希望だった
杉原氏は日本へ、ビザ発給の許可を求めて何度も何度も電報を打つが答えは「否」
日本とドイツが同盟を結んでいるため、ドイツを刺激したくはないのは当然だろう
ソビエトはこの時にバルト三国との併合を進めており、リトアニアにもソビエト兵が
やってきており、日本領事館は一刻も早い退去を命じられ準備を始めているところだった
その期限が迫られている中、ユダヤ人が大挙して押し寄せてきたのだ
杉原氏は決断を迫られた
そのまま日本政府の指示のもと、ビザを発給せずに帰ってくることも出来た
しかし、杉原氏は日本政府の指示に背いてビザを発給するという決断をする
この結果、日本を通過して第三国にわたる事ができたユダヤ人は
6,000人を超えると伝えられている
その後日本に戻った杉原氏は、汚名をきせられ退官処分となるのだ
彼の名誉は後に回復されるのだが、一時期は悔しい思いをしたに違いない
2017年、晩春から秋にかけて杉原千畝博物館は改装工事に入っている
この時期に訪れた方々は工事現場で使われている幕を張った建物を
見る事になるのだが、博物館の前にある桜は健在だった
改装後は見学ルームが広くなり、今まで公開されていなかった部屋も
展示物を置きご覧頂けるようだ
バルト三国の町々は決して華やかでも派手でもなく、胸躍る街並みでもない
しかし、過酷な歴史の中を歩んできた街並みは控えめで落ち着きがあり
中世の時代にタイムスリップしたかのような錯覚に陥るのだ
杉原千畝博物館を次回訪れる時にはまた違った歴史の重みを
添てんに教えてくれるのかも知れない・・・
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