「心が叫びたがってるんだ。」私、実写版の方が気に入ったんですけど。珍しくこっちの方が感動でした。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「心が叫びたがってるんだ。」を観てきました。

 

ストーリーは、

他人と本音で向き合うことができない高校3年生の坂上拓実は、クラスの担任から「地域ふれあい交流会」の実行委員に任命されてしまう。一緒に任命されたクラスメイトの成瀬順は、幼い頃のトラウマのせいでしゃべると腹痛に襲われるため文字でしか他人と意思疎通できず、同級生からは変わった子だと思われている。担任の提案により、交流会の出し物はミュージカルに決定。そのヒロインを務めることになった順は、拓実のある言葉をきっかけに、これまで心に閉じ込めてきた自分の本当の気持ちを歌にして伝えることを決意する。

というお話です。

 

 

高校3年生の成瀬順は、子供の頃、とてもおしゃべりな女の子でした。ある日、山の上のお城のような建物を本当の”お城”だと勘違いして、憧れの目で見ていると、そこから出てくる車を運転した父親と知らない女性の姿を見てしまいます。驚いた順は、家に帰り、母親に「お父さんがお城から出て来たから、王子様なんだね。お姫様はお母さんじゃなかったけど。」と話してしまいます。そうです、山の上にお城とは、ラブホテル。お父さんの浮気がばれてしまったのでした。

 

浮気が原因で離婚した両親。順は、不用意におしゃべりをした為に両親が離婚する事になったと思い、精神的に追い詰められ、喋れなくなってしまいます。無理に喋ろうとするとお腹が痛くなるんです。そんな順は、学校の「地域ふれあい交流会」という催し物の実行委員に任命されます。一緒に実行委員になったのは、坂上拓実、仁藤菜月、田崎大樹。

 

 

最初は、みんな嫌がっていたのですが、順は、拓実との交流の中で、言葉は話せなくても、歌なら歌えるかもと思い、ミュージカルをやる事に賛成し、みんなを巻き込んでいきます。拓実も、両親の離婚が心の傷になっていて、自分の本音を人に話す事が出来なくなっていましたが、順の伝えたいというひたむきな思いを見ている内に、自分も話せるかもという思いが大きくなって行きます。

 

ミュージカルの準備が進む中、拓実と中学の頃に付き合っていた仁藤は、拓実と順が近づいていく姿を見て、自分がまだ拓実の事が好きで、近づく二人を見るのが辛くなります。

 

 

田崎は、怪我をして野球が出来ず、そんな田崎に後輩が文句を言うのを聞き、順は、出せないハズの声を必死で出して抗議をします。順優しさに触れた田崎は、順の為に、ミュージカルを成功させてやりたいと思うようになります。

 

そして、ミュージカルの日が近づいたある日」・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

この作品、アニメも良かったんだけど、実写になったら、もっと良かったかも知れません。何故かというと、言葉がどうやって人を傷つけて行くのかというのが、やっぱり人間相手に交わされて行くと、生々しいんですよね。お父さんの浮気現場を見て母親に話す場面も、衝撃的に見えたし、父親が娘に放った言葉の強烈さも、凄く心に刺さったし、言葉が人を傷つける姿が生々しくて、本当に痛いんです。

 

 

言葉って、人を癒す事も出来れば、壊す事も出来る。一番の武器ですよね。人間の心に鎧は立てられないから、直接、その攻撃を受けてしまう。一たまりもありません。一撃で壊れてしまいます。だからこそ、気を付けなければならないのですが、子供の言葉は残酷です。悪気が無いので、責める事も出来ない。大人は、我慢するしかないんです。キツいですよね。でも、仕方ないと諦めて、子供に牙は向けないでください。大人になれば、彼らにも解ります。辛くても上手く受け流してくださいね。でないと、子供の未来が壊れてしまいます。

 

この映画は、子供に牙を向けてしまった大人の幼さも描いていて、中二病なんてバカな事を言って、大人になれない自分たちを誤魔化している大人を皮肉っているようにも見えました。子供のような考えを持つことを悪いと言う訳では無く、弱い者を護るという大人としての義務を怠るなという事を言っていると思います。

 

 

言葉によって傷つき、話せなくなった順は、また、友人たちの言葉で蘇っていきます。沢山の友達の気持ちを受け止めながら、癒されて行くんです。その友情、普段の私なら、”はぁ?化けの皮剥がしてやろうか!”なんて言っちゃうところだけど、この映画は違ったなぁ。うんうん、そうよね、友情よねって思っちゃったもん。

 

傷つけると解っていても、本心を伝える事も、大切な事なのかなとも思いました。人を傷つける事を恐れて、いつも上辺だけの言葉を発していたのでは、いつまでも友達にはなれません。キツい事だと解っていても、伝える必要がある時もあると思います。言葉を解り合えるまでぶつけ合う事も、必要な事なのだと思います。

 

 

順役の芳根さん、上手いんですね。彼女のドラマとかを見た事が無かったので、これならNHKの朝ドラ主演になるわなぁと思いました。中島くんは、相変わらず可愛いけど、今回は王子様オーラを消していましたね。良かったです。そうそう、寛一郎さん、やっぱりお父さんに似ていますね。困った顔をすると、良く似ていてビックリ。まだまだという感じではありますが、表現の仕方は静かだけど、内に何か秘めているように見えて、これからが楽しみですね。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。大人にも子供にも観て欲しいな。言葉の大切さを考えて欲しいと思いました。と言いながらも、自分も言葉で人を傷つけているんですけどね。でも、理解してくれるまで、出来るだけ説明しているつもりなんですけど。そんな事を考えるような、とても良い映画でした。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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