それはマット・デイモン。


セレブという言葉が好きじゃないので(だってパリス・ヒルトンまで入るんだぜ?)映画俳優に関してはスターという言葉を使いがちな私。古めかしい用法だけど、こっちの方が気持ちが入る。


一般の日本人が海外のスターに会う方法としては、一番確実なのは「スターに会える」のをうたっているジャパン・プレミアやらレッドカーペットやら舞台挨拶やらに応募して当選することである。この当選が難しいんだけどさ。


マットの場合は「ボーン・アルティメイタム」の前売りのプレゼントでレッドカーペットに応募して、滅多にないことなのだが、当選した。この幸運が何故オーランド・ブルームの時に来ないのだ!(←それは恐らく倍率がフタケタ、ミケタの単位で違うから)


マットの場合は「ボーン・アルティメイタム」のジャパンプレミアのチケットが普通にシネコンで売り出されるというオマケまでついていた。それも1800円という通常のお値段でである。きょーび日本の俳優の舞台挨拶つきチケットでさえその分上乗せした金額を払わなきゃならないというのに。そこまでマットは日本じゃ知名度低いのか?!


まあ女性ファン率は確かに低そうである。

というか、レッドカーペットで男性のファンがたくさんマットを待ち構えていることに仰天した私。いや~、そうか、「ボーン」シリーズではマットはしっかりとアクション俳優の看板をはっているんだわねえ。それにしてもいつも99.9%までが女性ファンの集団にしか居たことがないのでびっくりしたわ。


さらに隣のブースにいる若い男女の集団は、どうやらイベント会社が手配したサクラらしかった。お前らマットの代表作も見たことないクセに来るなよな、と横で彼らの話を聞いててムカついたりして。こっちはなけなしの運を使い果たしてここに来てるんだゾ! プレゼントまで用意してるんだからナ!


明るい内から待って、とっぷり日も暮れた頃に満を持してマット・デイモン登場!

まずはプレスにご挨拶してインタビュー。ファンはここで目を皿にしてどこのテレビ局がマットを捕まえたか確認し、後日の放送に備える。ローカル局とかケーブルとか海外の取材陣に捕まってたら泣きである。


いよいよいわゆる日本で言うところの「レッド・カーペット」。ふつーは劇場入り口を入る所に敷かれるんだけど、日本のはそれ自体イベントになってしまっているので実際は握手つきのサイン会みたいなもんである。マットも心得たもので、柵から身を乗り出しているファン達一人一人にサインしてくれている。それが丁寧な応対なので、時間がかかるのよね。待ってるファンは手持ちぶさたなので一生懸命知ってる英語を駆使して「アイラブユー」とか叫ぶ話しかけるわけです。


さて、あり合わせの紙にサインして貰っているサクラ群を乗り切って、マットがいよいよ私が待っているブースに近づいてきた。


うわー、かっこいい!

自信に満ちた笑顔、輝き、これがハリウッドの一流スターの顔なのねー。


気さくな笑顔に一気に両目ともハート♪

なにしろ、マットの顔がすぐ目の前にあって、しかも私一人に微笑んでいるのだよ?

その距離、わずか50センチ(ぐらいだと思う。計測したわけじゃないから)。

ち、近い! 今まで会ったどのスターより!!


実はマットに会うのは二度目だけど、一回目の時は全身像が目に入るぐらい離れていたのよね。

でも今回は顔しか目に入りませんわ。

何をおいてもこの近さが嬉しい。

プレゼントを直接渡せるし、お礼もちゃあんと言って貰えるし、自分の番が終わってもまだすぐ側にいるわけだし。

何より誠実なお人柄を直に感じられるのがいいわ♪


……で、熱を上げてぼ~っとした挙げ句、握手して貰うのをすっかり忘れていたことに気づいた時には後の祭りなのであった。サインは貰ったけど。ああ、もっと一人占めしていたかったよ、マット!