「燃えよ! ピンポン」(公式サイト )、初日に行って参りました。
当日「王様のブランチ」で紹介された効果なのか、心配した程のガラガラでもなく、といって勿論満席などでは全然なく、アットホームな雰囲気で楽しむことができました(つまり気兼ねすることなしに気楽に見られたってこと)。
いやーこれ、予想以上におもしろかったです!
本編見る前は「最終絶叫計画」とか「鉄板英雄伝説」みたいなパロディのノリで話を強引に進めちゃうタイプの作品なのかと思っていたんですが、どっこい、脚本がしっかりしていてキャラクターも上手く、その上気前よく予算を投入しているので見ていて飽きるスキのない絶妙に良くできた映画でした。笑った笑った。
とにかく、もう、クリストファー・ウォーケンが出てきたら、彼から目が離せません! オスカー受賞の貫禄で演じる変なキャラ目録にまた一人太字でくっきり名を刻む敵役が登場したわけで……その名はフェン!(ヘン、ではない)
このキャラ、どう考えても中国人であるべきはずなんですが、どう見ても白人のクリストファー・ウォーケンが演じて有無を言わせないところがまずスゴイというか……何の疑問も覚えませんでしたわ、ええ。
どうして彼がこんな映画に出ることに……と思っていたら、パンフレットの紹介文には「一番に出演が決まった」と書かれていて、そうか、やっぱり出たかったのか、と納得。この方はほんっとーに「変なキャラ」及び「壮絶かつ悲惨&ド派手な○○方」をコレクションしてるとしか思えません。
この老獪なるクリストファー・ウォーケンに戦いを挑む(?)のが主人公のランディ・デイトナ、これが見た目は「ただのメタボ」なのに心は12歳の少年の純粋さを保ったままで、とってもキュート、いやホント。
ランディを演じたダン・フォグラー、体つきや顔の輪郭はさておき、目鼻立ちは案外可愛いパーツ美形。
パーツ美形といえば同じコメディ俳優のジャック・ブラックもそうですが、ダンはジャック程おたくっぽくはないです。
同様に、ウィル・フェレル程くどくないし、ベン・スティラー程思い詰めてないし、アダム・サンドラー程間延びしてないし、セス・ローゲン程スレてないし、スティーヴ・カレル程ズレてもいないし、ジム・キャリー程変でもない。
ごくごく普通の男の子が、つらいこともあったけど何とかそれを受け入れてそのまま育っちゃった感じ。
そういうランディというキャラをごく自然に受け入れられたのは、ダンの地なのか演技力なのか……とにかくぴったりはまった役でした。
結構臆病で、弱気になったり逃げ出そうとしたりもするんだけど、最後は踏みとどまって戦うという……かつての少年マンガの王道的キャラでしょうか? 歪んだヒーロー真っ盛りの昨今、大変清々しかったです。
もちろん王道ですからクライマックスはこの二人の対決で、タイトルが「燃えよ! ピンポン」ですから当然卓球デスマッチなのですが、ブルース・リーファン(つまり私)が泣いて喜んだのは「燃えよ ドラゴン」でリーとハンの死闘の最中に繰り広げられていた出来事がこの映画の中でもしっかり再現されていることなのですね!! もちろんパロディにはなっているんですが、脚本家の心意気を感じたというかなんというか……とにかく大爆笑でした。
ただ見るだけでもおもしろいですが、「燃えよ ドラゴン」を見てから行くと2倍楽しめる映画だと思います。
はー、満足♪