「燃えよ! ピンポン」ではクレジットの一番に名前が出るのがクリストファー・ウォーケンである。俳優としての格の違いというものか。その次が主役を演じるダン・フォグラー。
この二人、演じるキャラは濃いけれど本人達の顔は決して濃い方ではない、と思う。
でもそう思ったのは彼らを囲む脇役達が選り抜きの濃い顔揃いだったせいかもしれない。
この映画、主役よりギャラ高いんじゃないかと思われる俳優がた~っくさん出演しているのですよね。
まず「おっ!」と思ったのがランディ12歳の時の父として現れるロバート・パトリック。「ターミネーター2」のT1000ですわよ、アナタ。「テラビシアにかける橋」でも主人公の少年の父として出演していたけれど、液体金属のターミネーターも今やすっかり老け込んで父親役が似合うようになったのね。制服姿が板についてるのは昔取った杵柄?
片やフェン(ウォーケン)の腹心と思われるのがケーリー・ヒロユキ・タガワ。かつては「モータル・コンバット」とかカーペンターの「ヴァンパイア 最後の聖戦」などアクション映画によく出ていたのだけれど、年齢を重ねると共に佐藤慶に似てきたせいか顔だけでもそれとわかる悪役という新境地を開いたような。
それからジェイソン・スコット・リー。「ドラゴン/ブルース・リー物語」ではタイトルロールのブルース・リーを演じた彼。「ソルジャー」ではカート・ラッセルと勝負していた、こちらもムキムキのアクション俳優。彼がどこにいたのか、どの役を演じていたのか、私はNGシーン付きのエンドクレジットを見るまで全然わかりませんでした。最後に見たのが「ドラキュリア2」だったせいだと思う……彼の髪型が、あまりに意表で。
紅一点のマギー・Q。「MI3」の妖艶さでも「ダイハード4.0」の凶暴さでもない、気は強いけれどごく普通の女の子っぽい心情も垣間見せて、この映画の中では一番いい役だったような気がする。ピンポンの腕前はスゴかったけれど、それよりミニスカの下の長い脚の方がスゴかった。
カメオにマシ・オカ。日本人社会においてはどこのクラスにも一人はいるような顔だと思っていたのだが、やはり彼のキャラは並じゃないと見え、これだけ顔の濃い人に混じって印象が薄いということがなかったのにはびっくりした。日本人が思う典型的な日本人顔って、案外濃いかも。まあ、他に出ているアジア人キャラが国籍不明というか、制作者アジアの国々の区別ついてないでしょ、という雰囲気だったので。
この映画、力士姿や芸者姿の芸人さん達がパーティーの余興に呼ばれているのは「燃えよ ドラゴン」からのパロディだからいいとして、「ねえちゃんの価値は胸と脚!」とばかりに女性の着物がみんな超ミニだった。それ、和装じゃないから。振り袖だけは長いんだけどね。ちなみ日本男児の大和魂を絞めるものはまわしと思われているようでした。一般的には褌だと思うんだけどね、少なくとも昔はね。
上記の私が名前を知っている程度に有名な俳優さんの他にもメインとなる脇役の方達がいて、ランディとほとんど行動を共にすることになるFBI捜査官がいるのだが、彼の顔が全キャラクターの中でも飛び抜けて濃かった。
ラテン系で役名をロドリゲスというのだが、目鼻立ちも濃いんだけど肌の色も浅黒くて一目顔を見たらそりゃもー「ロドリゲスでしょあなた。ロドリゲスでしかあり得ないわ、その顔」というぐらいロドリゲスなのであった。
しかもそのロドリゲスを擁するFBIのメンバーがまた揃いも揃って彼に負けないぐらい濃い顔なのね。そんなに濃い顔でどうやって捜査を進めるんだと疑問に思うぐらい(←顔で捜査するわけじゃないから!)。
ひょっとしたら有名なのかもしれないけれど私の知らなかったその俳優さんの名前はジョージ・ロペス。
私が見た映画ではロバート・ロドリゲス(これは監督の名前)の「シャークボーイ&マグマガール」に出てたらしいがどこにいたのか全然思い出せない……。
とにかくこのロドリゲスがランディ以上に濃いキャラで、メチャクチャ笑わせてくれました。クライマックスなんか、タキシードで決めちゃってもう最高!
もう一人重要なのがランディの卓球の師匠ワン役のジェームズ・ホン。もういいお年のはずなのに、体張ってました。ハリウッドで中国人役を長い年月勤め上げた挙げ句が、この役ですか……ま、映画がヒットしたからいいよね。