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日本でつい最近有名になった「コールドケース」といえば「ロス疑惑」事件の三浦一義元社長がロス市警に逮捕されたことですね(スポニチ )。

実はまさにその逮捕劇が大々的に報道された時、私、ロスに滞在中でして。
といっても「ロス疑惑」がこんなに有名なのは主として日本とみえ、アメリカのテレビニュースではアカデミー賞関連とかライブで起きてる凶悪事件の報道ばかりだったのでホテルの部屋に居る間は全然知らなかったんです。

分かったのはそこのホテルにツアー客の送迎に来ている小型のバスの窓の奥に赤く踊る新聞の大見出しを見た時ですね。

ロス疑惑 三浦元社長逮捕!

みたいな感じだったでしょうか。

そうなんですよ、日本語なんですよ、それもモロに日本のスポーツ紙。ロスで在留日本人のために発行されている新聞なんですね。いや、びっくりしましたねー。

シューティングツアーの時に在住のツアーガイドさんとお話しした時に、ロスの日本人社会ではその話題で持ちきりだったと伺いました。話を聞いていて、あの頃はスゴイ騒ぎでしたもんねー等と相づちをうっていたのは私だけ。何故ならば、その時同じバンに乗り合わせていたのは全員が卒業旅行の大学生。彼らは22~3歳ですから、事件が起きた27年前にはまだこの世に存在してなかったわけで……時のたつのは早い。

翌日、帰りの空港に向かう大型バスでも添乗員さんが目をきらきらさせて
「ロス疑惑の三浦和義が逮捕されましたねっ!」
と早朝なもので寝ぼけまなこな乗客達に向かってテンション高く呼びかけたんですが、反応が鈍かったのはみんなが寝不足だったせいではなく、乗り合わせていた人のほとんどが卒業旅行の大学生だったから。
私と同年配と思われる添乗員さんは肩を落としながら
「そうですよね、昔のことですもんね……。
ひょっとして皆さん、生まれてなかった?」

そう聞かれても、そもそも生まれてなかった皆さんは事件の存在そのものをよく知らないのでいつ起きた出来事なのかも分からない。それ故その時点で自分が生まれてるかどうかも判断つかないので返事をしたくてもできない。

話の接ぎ穂を失ってちょっとばかり途方に暮れる添乗員さん。

気の毒になった私が
「大学生じゃ22歳ぐらいですもん、生まれてなかったですよ」
と言うと
「若いんですねー。世代が違うんですね-。あー、ちょっとショック」
と添乗員さんがまさに私が感じていたのと同じ事を言ってくれたので、二人で自分の積み重ねてきた年齢の重さに一瞬ブルーになって目と目で慰め合ったりして。

ところで、その帰国する観光客をLA空港に送り届けるためだけのバスに何故添乗員さんが同乗していたかというと、アメリカでは帰りの出国の際に、本来ならば入国時にパスポートに挟まれる出入国記録フォーム(緑)を航空会社の職員に回収して貰わなければいけないのですが、たまに(というか結構な頻度で)担当の職員さんが回収するのを忘れる場合があり、その場合米国を出国した事実が米国移民局(INS)で正しく記録されないので(密入国ならぬ密出国?)、そうならないよう各自厳重にチェックしてくださという話をするためのようでした。

これについては何度も何度も、それこそバスがLA空港について乗客が降りる間際にまでしつこく念を押されたものです。

だから万が一にもフォームをパスポートに挟んだままLA空港を後にした人はいるまいと思っていました。

とーこーろーがー、同じバスに乗り合わせていた見覚えのある人が成田で降りた時に友達に話しているのを小耳にはさんだところ
「オレのパスポート、紙がはさまったままなんだよ。空港のねーちゃんが取ってくれなかったんだ、やってらんねーぜ。どうしたらいいんだろ。ねーちゃんのせいだよな」
なんて言ってるんですよね。

だーかーらー、そういうのは自己責任だって、バスの中で何度も口を酸っぱくされて言われたじゃないのさ~!

人様の事とはいえ、さすがに開いた口がふさがらなかった私。彼のその後がどうなったのかは私にとって未解決なままです。

彼が次にアメリカに行った際に空港で拘束されることのないよう祈りますわ。まあ、捕まって強制送還されたところで自業自得で、全く同情する気にはなれませんけれども。添乗員さんの話を聞いてなかったのが悪いのですから(三浦逮捕のくだりはどうでもいいけど)。


他人事でなくて自分自身の未解決事件といえば、4月に十両に昇進したのにその昇進プレゼントが今もって届かないことですかねー。アメ風呂セット、楽しみにしてたのにな~。