ブログネタ:嫌いな食べ物は?
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未だ克服することができない苦手な食べ物、それはらっきょうです。
小さい頃から食べられない物が多くて、両親に「お前は好き嫌いが多い」と責め続けられて大きくなった私にとって、「好き嫌い」は罪悪でした。罪の意識を背負って大きくなったため、その罪悪感を少しでも軽くするために、嫌いな食べ物でも何とか食べられるようになりたいという思いは大層強かったです。
大まかに言って私の「食べられないもの」は、味にくせがある物と匂いの強い物。味の方はまだ口に入れることはできるものの、匂いとなると口に運ぶ途中の段階でもう挫折。その代表がらっきょうとにらとチーズと長ネギ。これらが最後まで私の罪の象徴として残りました。
にらと長ネギの場合は匂いと味の他にもう一つ「のどごし」があって、ニラや長ネギを煮込んでくたくたになった長い繊維が喉を通過することに耐えられず子どもの頃は吐いてました。でも長ネギは小口切りにして繊維を短くし、かつ生なら(つまり薬味用)なら食べられるし、ニラも細かくなって餃子とか春巻きとかニラ饅頭とか中華の皮に入っていれば大丈夫なんです。だからこれは一応パス(何が?)。
チーズは、実は匂いも味も苦手なのはどうもプロセスチーズに限られるみたいなんですよね。昔ながらの三角や四角のかたまりで出てくるものは近寄るのもいやだし、スライスチーズもそのままだと食べられません。これ、噛んでる内に匂いは鼻につくしぬたっとした歯応えはいやだし唾液とまざってのどごしも最悪だし……今でも吐きそうになります(すいません)。
でもこれがピザに乗ってたりハンバーガーにはさまれてたりすると大丈夫なんですよ!
加熱によって溶けてしまうとチーズ特有の歯応えや喉越しを感じなくなるし、匂いも気にならないし。まあ、そもそも溶けるのはナチュラルチーズなのでプロセスチーズとは別物と考えた方がいいのかもしれないですが。
ハンバーガーは、まあチーズバーガーなんかは元から注文しないのですが、フィレオフィッシュ等では頼めばチーズ抜きを作って貰えるのでずっとそうしていたんですよね。でもある時チーズ入りのを(つまり本来のフィレオフィッシュ)食べたら、チーズ抜きのよりコクがあってずっとおいしいじゃないですか! それ以来ハンバーガーのチーズはOKになりました。
イタリアに旅行した時には現地に在住のお友達に
「苦手な食べ物は?」
と聞かれて
「チーズ(イタリアにらっきょうはないだろうから省略)」
と答えたら困り果てられて。
それで彼女達に勧められるままモッツァレラチーズを食べたらこれが美味しいの! 臭くないし、歯応えも喉ごしもさわやかだし、しかも味もさっぱりしていて、チーズってこんなに美味しい物だったのかと思いましたよ。
日本に帰ってその勢いでプロセスチーズに挑戦したら、敢えなく敗退しましたけれど(のみこめないんですよ、どうしても。ゴメンナサイ)。
ま、とにかく他のものは調理法や種類を変えることによって「全く食べられない=体が受け付けない」という状況からは一部脱却することができました。ある程度は好き嫌いを克服したと言ってもいいでしょう。
しかし、しかしらっきょうだけは! あれだけは!!
匂いが強すぎて、まず近寄ることもできないです。
カレー屋さんなどで、容器に入ったらっきょうがテーブルごとに置かれていたりすると、自分から最も離れた位置にその容器を置き直して(できることなら下げて貰う)待避します。
季節によってはスーパー等で生のらっきょうを売っている場合があるのですが、そういう時は野菜売り場に近づく時もなるべくらっきょうの側に近寄らないよう遠回りをしたりして。ホント、あればっかりは泣きそうになります。
きっと、この「らっきょうが食べられない」ということで、私は一生「好き嫌いが多い」ダメな子としての烙印を背負ったまま、罪の意識にあえぎながら生きていかねばならないのでしょう。
ところで
「オレに好き嫌いはない」
とい豪語する男がいて、何て立派な人なのだろうとすっかり感心していたのに、いざつきあってみると食事の場になってから食べずに残す物の多いこと多いこと……。
そんなに食べられない物が多いのに、何をもって自分に好き嫌いがないと言い張れるのだと問いただしたら、
「オレに好き嫌いはない。食べない物があるだけだ」
と偉そうに抜かしやがりました。
世間じゃそれを好き嫌いと言うんじゃないのか?
好き嫌いをしてるのに罪の意識を感じない人が羨ましいです……。