「インクレディブル・ハルク」のジャパンプレミアのチケットをたまさんに譲って頂いたので勇んで行って参りました!
と書きたい所なのですが、実際は綱渡りのような状況で、映画を見る前からハラハラドキドキのサスペンスでした。
だって、22日6時20分までに国際フォーラムAホールに行かなければいけないのに、招待券の方が22日の昼になっても届いてないんだもん! もう届いている頃だろうと思って帰って来て、郵便受けをのぞいたら空っぽなのでびっくりさ!!
たまさんが22日の朝届くようにと速達で発送してくださっているのに、ど~なってんのよ~!! と慌てて電話で業者のサービスセンターに問い合わせたら、係の人の言うことには
「メール便は日にちの指定はできますが、お届けの時間は一切指定できません。その日の内に届けるというお約束しかできないんです」
だって。
「その日の内って……午後7時ってことはないですよね?」
と額に脂汗を浮かべながら受話器に噛みついたら
「たぶん……」
という心もとない返事。ちょっとぉ~~~!!!
それから1時間おきぐらいに郵便受けを確認に行ったけれど、午後3時を過ぎても届きやしない……。
こ、これは、ムリか、ダメか、間に合わないか?!
え~い、心頭滅却すれば火もまた涼し、暑い時にはシャワーだわ~、と意味の通じないことを言って水垢離気分で頭からシャワーを浴び、とにかく出かける支度だけ調えて郵便受けの前で待っていようと覚悟を決めました。
有楽町に6時5分に着く電車に乗れる時間をデッドラインに決めておいて、その30分前、何とか間に合って届いてくれましたよ、ジャパンプレミアの招待券。たまさん、ありがとう~~~っ!!! それを封筒のままバッグに突っ込んで駅へとダッシュ! は~、これでなんとか間に合うと電車に乗ってようやく一息つきました。
国際フォーラムに辿り着いたのが5時50分。チケットの座席指定券への引き替えは3時からなので、とっくに前の方はなくなっているだろうけれど少しでも早い方がいいかなと大急ぎで交換してもらうと、私が渡されたのは白い紙。そこには1階席の番号が書かれている。
身内と待ち合わせをしているので少しその辺をウロウロして戻ってみると、新たにチケットを引き替えた人が貰っているのは緑の紙。あれは2階席なのかしら???
さて、開場は6時なので待っていた人達はエスカレーターへと流れ込んでゆく。開演は6時30分で、ゲストはサプライズのお楽しみということになっている。映画が始まるのは一応7時からというのがこの日の流れ。
私と身内はこのサプライズゲストがも~しかしたら「インクレディブル・ハルク」の主演であるエドワード・ノートンだったりしないかな~、なんて淡い期待を抱いていたりしたのである。いえ、ノートン氏が来日したという話はその日の朝も全然なかったんですが。でもまあ、空港に到着してからプレミアに直行というスケジュールだってないわけじゃないので。
だから舞台挨拶が始まる6時30分にはなんとしても会場に入ってなければいけないのに、20分になっても身内が来ない。連絡をとると今向かっているけれど到着が40分ぐらいになりそうとのこと。
えー、それだと間に合わないじゃん!
ロビーでは係の人が口を酸っぱくして
「開映後のご入場はいかなる場合も固くお断りします」
と叫び続けている。
「開映」だからたぶんそれは映画が始まる7時のことだとは思うものの、それまでロビーで待っていては万が一のエドワード・ノートン登場に間に合わないじゃないのさ!
そこで他の係の人に連れがまだ来ないんですけど、と恐る恐る言ってみると
「基本的にお二人一緒でのご入場をお願いしているので、お待ちください。チケットをこちらで預かるようには今回はなっておりません。基本的にお二人ご一緒で」
というお返事。
「はー、『基本的には』ですね」
それって、例外もあるってことよね?
30分になるので、とりあえず自分一人で会場に入って座席チェック。
こういうものはなかなか30分ジャストには始まらないものなので、そわそわしつつ身内の現在状況をメールでチェック。まだ始まらないから大丈夫、とメールの文面を打ち込んだところで、送信前にアナウンスが始まり舞台挨拶の開始となってしまった。
あちゃー、もう間に合わないよ、エドワード・ノートンだったらどうしよう~、とやきもきする私。
舞台には女性の司会者が現れて、いよいよゲストの紹介が始まる。
「本日のゲストは『インクレディブル・ハルク』の主演(ぎゃー!)の声(な~んだ……)を吹き替えで演じてくださって水嶋ヒロさんです。どうぞっ!」
前の座席の方からはきゃーっと黄色い歓声が上がるが、申し訳ないけれども私にとっては知らない人である。
な~んだ、エドワード・ノートンじゃないのか~、という思いの方がそりゃ強い(水島さんのファンの方、ごめんなさい)。でもまあ、身内が間に合ってないから、返って良かったかな~、なんて思ってたら身内から電話。
慌ててすぐホールの外に出る。なにしろ私の貰った引換券の座席番号は1階席のほぼ一番後ろ。出口なんてすぐそこよ、そこ!
身内は今駅だという。ちなみにAホールは有楽町駅の出口からは一番遠い。
出た所にいた優しそうな女性の係員さんに尋ねたら、今からでも入場はできるとのこと。でも私が座席指定券を持って入っているのでそれを渡しに行かなければならないと事情を説明したら、今現在エスカレーターは全部上りになっているので非常階段を使って下まで降りて、入り口の所でチケットを渡せばいいと教えてくれた。ありがとねっ、優しい係員さん!
んでもって、私の今いる所は1階席としては入り口まで一番遠かったりする……。
私が5階分の非常階段を駆け下りて入り口まで行くのと、身内が駅から国際フォーラムAホールのその入り口まで辿り着くのとほぼ同時だった。どんだけ走ったんだよ、オマエ(女です)。
こっちこっちと手を振って、彼女の分の座席指定券をパーテーション越しに手渡して入場して貰う。
実はその指定券、間違って私が自分で使って入ったのと同じものだったのだがノーチェック。「基本的に一緒に入場して貰う」というのは、いちいちチケットをチェックしないということだったのね。
息を切らしている身内に
「ゲスト、エドワード・ノートンじゃなかったー」
と言ったらその場で倒れそうになっていた。
「で、誰」
「水嶋ヒロっていう人」
「どんな人?」
「さあ、見れば分かるんじゃない?」
私もゲストの登場を待たずに会場を飛び出しているので全然見ていなかったのである。
どれどれと座席に着いてからどんな人か見ようとしたのだが……1階席の一番後ろからだと、舞台見てもそこに男性がいるということぐらいしか判別つきません。きっととってもハンサムなんだろうけれど、顔なんか全然分かりませんて!
舞台にはハルクのねぶたが鎮座ましましている。
ハルクが8月1日公開で、その明くる日の2日から青森のねぶた祭りが行われるそうで、これはその場で使われる本物の山車なのだそうだ。
怒れる緑の巨人であるハルクがねぶたになっても全く違和感がないのがおかしい。
司会が言うにはこのねぶたはまだ未完成だそうで、ハルクの前にある将棋の駒みたいな名札に「ハルク」と書き入れて初めて完成するのだそうで、その名入れを水嶋氏に頼んでいた。
「え、僕、字下手なんですけど……」
とひるむ水島氏。
彼の躊躇は一切気にとめず、ひたすら進行に専念する司会嬢。
あきらめて渋々筆に墨をつけて「ハ」「ル」「ク」と書き入れる水嶋氏。
出来上がりにイマイチ自信を持てないでいる水嶋氏の字を
「男らしい字ですね~。このかすれ具合がなんとも男っぽいというか」
と力を込めて褒め称える司会嬢の無理矢理っぷりに、水嶋氏が苦笑を噛み殺している様子がマイクから伝わって来るのがおかしかった。
その字が上手なのか下手なのか、遠すぎて分からないのが情けないのだが。
ここよりは2階席に一番前の方が舞台にずっと近いので、あんまり慌てないでもう少しゆっくりして2階席の座席指定券を貰った方がよかったかもしれない。何をしても思惑通りに行かない日というのはあるもので、焦ってやったことがことごとく無駄になったりする。
声だけ聞く分には、水島氏はなかなか感じの良いお人柄のようだった。
でもこの日の映画は字幕版上映なのよね。
最後に8月1日の「インクレディブル・ハルク」初日にも水嶋ヒロさんの舞台挨拶が決定したという情報が伝えられ、プレミアはおしまい。
まあ、何はともあれ「日本で一番早い試写会」で「ハルク」が見られるならよしとしましょうか……。