【ハロウィン企画第三弾】西洋のおばけと日本のおばけ、どっちが怖い 好き?? ブログネタ:【ハロウィン企画第三弾】西洋のおばけと日本のおばけ、どっちが怖い 好き?? 参加中
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詳細に例として出されている”おばけ”の内、
おばけのQ太郎ブタネコ
ゲゲゲの鬼太郎しし座
トイレの花子さんトイレ

フランケンシュタイン雷
ドラキュラかに座
ジェイソンしし座

これらは作者も分かっている創作上のキャラクターか現代の都市伝説なので、別に怖くはないです。
「フランケンシュタイン」や「ドラキュラ」、「13日の金曜日」の映画は怖かったですけどね。

狼男しっぽフリフリ
ミイラ叫び

これも一般的に知られるようになったのは、ハリウッドが映画にして世界中に売ったせいなんですが、一応「狼男」はヨーロッパではかなり遡って恐怖の対象でしたので残しましょう。ミイラは「ツタンカーメン王の呪い」の恐怖が一世を風靡したこともありますが、それはあくまで「呪いによる死」をおそれたもので「ミイラ男が人を襲う」というシチュエーションはやっぱりハリウッド映画が作り出したものなんですよね。これ、今見ると怖くも何ともないですが。

今、ミイラって言ったら「ハムナプトラ」の印象が強烈すぎて、ホラーというよりアクションコメディロマンチックアドベンチャーに分類してしまう自分がいるわ。うん、少なくとも「ミイラ」は別に怖くない。

のっぺらぼうオバケ
おいわさんおとめ座

これは「おいわさん」の方は「怪談」として成立していて、そのお話はとても怖い。たぶん映画等で映像として見るよりも、上手な話者によって語られる時が最も怖かったものと思われます。
ただ、現代だとあまりにも時代が違いすぎちゃって、その恐さの底にまで辿り着けない気がするんですよね。
かつ、おいわさんって、恨む相手が決まっているので、他の人に化けて出たりしないからこちらが必要以上に恐れる理由がないんですわ。

「のっぺらぼう」は落語になってるんですよね。怖いけれどおかしい、おかしいけれど怖い。

「今さっきそこで顔のないヤツに会ってね、ああ驚いた」
「お客さん、お客さんが見たヤツってこんな顔でした?」
そういって店主がこちらを向くと、顔がない!

というオチのつけ方が粋で洒脱で最高です。作品としての完成度がずば抜けて高いと思うんですよ。
恐怖をくぐり抜け、安堵しきっているところでもう一回死ぬほど恐がらせてくれる。
この手法、今ではハリウッドのホラー映画の常套になってます。

こののっぺらぼうはフィクションとしての完成度も高いんですが、それと同時に普遍性も高いのです。舞台を現代に置き換えても、シチュエーションを似たような設定で置き換えれば通用しちゃうんですよね。抽象性が高いので「もしかすると自分にもその恐怖がふりかかるかもしれない」と幾らでも引き付けて考えられるんです。大人はパターンを知ってるからダメでも、子ども相手なら今でも充分恐い作品として通用すると思います。

というわけで日本で最後に残った「のっぺらぼう」に対抗するのは西洋で最後に残った「狼男」という事になりました。
この「狼男」というのは「のっぺらぼう」と違い時代の風をモロに受けるモンスターでして。

そもそも狼はヨーロッパでもアメリカでも、人間の重要な資産であり食料である羊や牛を襲って食ってしまう憎むべき害獣だったのですわ。狼にしてみれば、後からやってきた人間の方が自分達の縄張りに勝手に入ってきたのですから、そこにある食い物(羊や牛)は当然取り放題だと思ったのでしょうが。その害獣意識が20世紀初頭までずーっと残っていたので、ハリウッド映画でも「狼男」は憎むべき存在だったのですよ。

「狼男」はまた一種の感染症への恐怖も担っていて、狼男に噛まれた人間は次の満月には狼男になり、一度変身が完了すれば元の善良な人間には戻れないからどんなに愛していても殺すしかない、みたいな感じですね。

昔は現代のように抗生物質等の有効な治療薬がありませんでしたから、伝染病にかかったら患者を隔離するしかなかったです。日本の肺病のように離れに閉じ込めて、なんて生やさしいものじゃなくて、ペストなど伝染性の強い病気が発生した時は、患者が出た住居のある一画を全部封じ込めるため板を打ち付け中から人が出て来られないようにして蔓延するのを防ごうとしたらしい。当然、閉じ込められた人々はその中で病気だろうと病気じゃなかろうと死ぬのを待つしかなかったわけで。

そういう、伝染病に感染した患者は死んだものと思わなければならなかった時代の重さを初期の狼男映画はしょっていたんじゃないかと思います。

だから、現代だと治療しようとするんですよね、映画の中で狼男に噛まれると。

20世紀の終わり頃から、個体数が激減した狼ってあちらこちらで保護動物になってたりするんです。
「害獣」から「保護動物」へ。
まさにコペルニクス的転回。
当の狼には全然関わりのない、人間の勝手な事情。

だから微妙に映画の中の「狼男」も変わり続けていて、Xメンのウルヴァリンは純粋な「狼男」ではないもののそれっぽい風貌を持ちながら映画の中ではヒーローになってしまいました。

ウルヴァリンと同じヒュー・ジャックマンが主演を務めた「ヴァン・ヘルシング」では「狼男」に噛まれてからも特効薬を打てば人間に戻れるという設定が出てきたし、狼男そのものが吸血鬼に対する天敵という設定までありました。

レン・ワイズマン監督の「アンダーワールド」でも吸血鬼族とライカンという狼男族の確執が描かれています。この辺の新しい設定はたぶんゲームが起源なのだと思います。元は設定というよりルールだったんでしょうね。

私が好きなのは、当然ヒュー・ジャックマンの演じる狼男(ウルヴァリンも含む)♪

でも元々好きだったのは和製狼男の犬神明だったんですけどね。時代を30年ぐらい先取りした作品書いてたんですね、平井和正先生は。


さて、ここでタイトルに戻り
「怖いのは日本ののっぺらぼう、好きなのは西洋の狼男」
という結論に達するのでした。
のっぺらぼうはイヤだけど、狼男なら会ってみたいな~♪