主演のユアン・マクレガー。こっちの写真
とは何かが決定的に違います。
ユアンの熱い思いを軽くあしらっているかの如きヒュー・ジャックマン。
いや、だから地下鉄は仕事場じゃないから、会ってるんだって!
――という話だったらよかったんですけどね~(タメイキ)。
この映画、ヒュー・ジャックマンとユアン・マクレガーという二大スターの共演だから、制作時からすっごく期待していたんですよねー。この時点でタイトルの“2S”は「SUGGOKU,SUKOBURU」の「S」でした。
その試写状を思い掛けなくたまこさんに譲って頂いて(いつも感謝ですぅ~)、その時の“2S”は「SUTEKI,SAIKO」だったのです。
それが見終わった後には残念ながら「SAPPARI,SUKKIRISHINAI」の“2S”になっておりました……。
この映画、原題は“Deception”だし公式サイトのトレイラーでも内容をある程度明かしちゃってます。だからもう、登場人物が出てきた瞬間から彼らがどういう役割を担うか薄々見当がつくし、それを前提に作品を見てしまう。
その上で意外な展開があれば「おおっ!」となるんですが、それが全然ないんですよ。
まー、意外といえば意外だったのが、仕掛けが思った程込み入ってなかった点かな? でもこれは意外だからと言って感心するポイントじゃないですよね。期待外れってヤツにあたります。
物語にスリルとサスペンスもないし、売り文句程のエロスもない(すいません、私がユアンのベッドシーンに何も感じなかっただけです。ユアンファンには文句なしなのかも)。この監督が一体何を伝えたくて作品を撮ったのかが全く分かりませんでした。
でね、これ主役はユアンで間違いないんですけど、魅力的なのは絶対的にヒュー・ジャックマンなんですよ。
出番は少ないのに、くらくらする程セクシーで……(すいません、私がヒュー様のファンなだけです)。
それでこれ、プロデューサーにヒュー自身も名前を連ねてるんですよね。
で思ったのが、ヒューがこの役を演じたいというのが映画制作の動機だったのではないかと。映画では今までに彼が演じた事のないようなタイプの役でしたからね。俳優ヒュー・ジャックマンにとってはとても魅力的な役だったのではないでしょうか。また見事に演じきっていたし。
ただ、そんな役のヒューをファンが見たいと思うかどうかはまた別問題で……私はいつも通りの優しくて逞しくて頼りがいがあってその上美丈夫なヒュー様の方がよいわと、映画の後でしみじみと思いました。ただしこれもファンそれぞれで違う反応が生まれる事と思います。
ユアンは……オビ・ワンの印象が強烈だったんで忘れてましたが、そういえばデビュー当時の若々しかったユアンってこんな役多かったっけな~、なんて思い出したりして。魅惑的な人物に引っ掛かって引きずり回されるひ弱な青年に見えて、最後には本来の自分自身に立ち戻り現状を打開する強い力を秘めた人。あれ? 「魅惑的な人物」をアナキン・スカイウォーカーにしたらオビ・ワンも結局一緒か~。
最後にミシェル・ウィリアムズ。出てました(←そりゃ出てるだろー!)。可愛かったです。
彼女以外はほぼ全員が「美女」なんですよ(少々年齢が高めですが)。その中で若くて初々しく可愛い事でミシェルがひときわ目立っていたのでやはりキャスティングが上手なんだなと思ったりして。何だか見ていて痛々しかったですけどね。
というわけで、これはユアンか、ヒューか、ミシェルか、或いは他のキャストのファンでもなければ見ても「さっぱりすっきりしない」で終わる映画だと思います。謎が複雑というより、登場人物の心情がよく分からなくて。
まあ、あれです。怪しげな迷惑メールが誘う類のようなクラブには入るなという啓蒙映画にはなるかもしれません。