「センター・オブ・ジ・アース」公式サイト
チケットを買おうとして、まず言われたのが
「こちら2Dになりますけど、よろしいですか」
だった。
こっちは2Dであることも吹き替え版であることも承知の上で劇場に足を運んでいるので、その場でもう一度念を押されたようで少々面食らってしまった。「3D」じゃないと知って帰る客もいるということだろうか?
しかし窓口で念を押された理由は映画を見たらよ~く分かりましたね。
これ、3Dで見なければ意味ないです。完全にアトラクションとして作られてますから。ついでに椅子でも動けば文句なしって感じ(そういう劇場もありますよね?)
例えば「ジュラシック・パーク」(マイケル・クライトン氏に弔意を)。
これが3Dじゃなくても充分に恐ろしいのはCGIによる恐竜たちが途轍もなくリアルでまさにそこに存在しているように見えるから。その上で演出が恐怖を盛り上げてくれる。観客は登場人物に感情移入し、自分も食われるんじゃないかという恐怖と戦い、それを切り抜けることでカタルシスを味わいます。
「センター・オブ・ジ・アース」はそうじゃない。
前半のストーリーは後半の冒険をお膳立てするためのもので、そう悪くはないもののでも完全に子ども向けなんですよね。それも小学生対象。
そうやって前半は退屈寸前に淡々と進めておいて、後半はいきなり冒険に次ぐ冒険、矢継ぎ早のサバイバル。ストーリーは忘れていいから、ただその場のアトラクション――ウォータースライダーであったり、バッティングであったり、テーマパークや公園の遊具にありそうなもの――をノリノリで楽しめばいいという仕掛けになってます……3Dならね。
3Dは「スパイキッズ」なんかで実際に体験しているから、もし仮に例の赤青眼鏡かけてこの状況を3Dで体験したら絶対おもしろかったってことが分かるんですよ。
でも2Dで見ちゃうとその同じ場面がどこか馬鹿馬鹿しく思えてしまうのね。テーマパークで、自分は列に並んで待ってるのにジェットコースターの頂点で手を放してキャーキャー言ってる○○を見ると「ケッ」とか思うでしょ、あんな感じ。それで自分がいざジェットコースターに乗ると頂点で手を放してキャーキャー言うんだけどさ。
で、これは「アトラクション」ですから、登場する巨大生物達が子ども達を恐怖に陥れるようなリアルなデザインだったらダメなわけですよ。映画館で泣かれたら困りますから。
だから何が出てきても恐くない。一応キバとかトゲとかはものものしくも大仰に付いてるんだけど、基本コンセプトが「恐くない」ですから、まあ言ってみればマンガレベルのデザインなんですよね。かといってユーモラスでもないんだけど。見かけが恐くないワケではないけれど、真剣に恐がるには今一歩、という微妙な、或いは絶妙なデザイン。
こういうのも3Dで見て自分目がけて襲いかかってきたら、きっとキャーキャー言ってよけたりするんですよね(反射ですから)。たぶん「ジュラシック・パーク」並の超リアルで襲いかかられたら、マジで震え上がると思います。
頭で「これは映画、これはフィクション」と分かっていても、肉体の反応は違うんですよ。肉体は目で見た3D情報はリアルであればたぶん現実として受けとめます。作り手はそれが分かっているから、デザインからリアルさをおとして現実味を薄めなくてはなりません。そうでないと、心臓の弱い人やお子様は現実としての反応を肉体がひきおこすことで体に危険が及ぶかもしれませんから。難しいところだと思います。
しかしそのデザインは2Dで見ると、やっぱりどうしてもパッとしないんですわ~。
アトラクションは人がキャーキャー言ってるのを見るものじゃなくて、自分がキャーキャー言うものですよ(←って、オマエは絶叫系にしか乗らんのかい!)
近場のシネコンで間に合わせようとせず、ちょっと遠出しても3Dで見ればよかったと後悔しました。
俳優さんは「ハムナプトラ」シリーズのブレンダン・フレイザーに「ザスーラ」のジョッシュ・ハッチャーソンとCGIには充分慣れてるお二人なので演技に問題はないんですよ。でも出てくる巨大生物が、確実に地球上に存在したはずのものなのにそうは見えないというのが致命的で、こちらが物語に入り込めないのが残念でした。
<ぼそ>セクスィー部長なのに、声、セクスィーじゃないしさ。</ぼそ>
それでもクライマックスにはブレンダン君も肌脱ぎになってくれて、ようやく大人も楽しめるようになったというか(え?)。「ハムナプトラ3」がイマイチだったのはブレンダンが脱がなかったからだわ、等とアホな事を考えてました。彼の逞しい腕って、サイコー♪
今回は父親じゃなくて、弟でおじさん役のブレンダン、こういうちょっと地に足が付いてない感じの方がやっぱり似合うな~♪
ブレンダンのファンじゃない方は、是非とも3Dでお楽しみ下さい。女優さんも可愛かったですよ~。