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半吉ですよ半吉

それって人の名前ですか、みたいな。
なんか居たじゃないですか、捕物帖の人(←それは半七)。

そうでなければ、いかにも御店のお嬢さんあたりに呼びつけられてつまんない用足しを言いつけられそうな小僧っ子の丁稚に似合いそうな名前ですよ。「ハンキチ」なんて呼びやすそうで。どうかした日にゃ手まで拭かれそうだ(←それはハンカチ)。

大体「半」ってのがね、どうしていいのか分からないぐらい中途半端ですよ。
一般的に「大吉・中吉・小吉・吉・凶」というのなら順序が論理的に構成されてるのが分かりますよ。この場合の「大・中・小」はおそらく「吉」の「量」なんですよね。どっちかというと見た目の大きさという感じで、三つのものを見比べた時に簡単に「大・中・小」に振り分けられるイメージです。

でもその中に「半」って、どうやって組み込めばいいのよ?

そもそも何の「半」なわけ?
大吉の半分が中吉で、中吉の半分が小吉で、小吉の半分が吉というならわかるけれど、唐突に「半吉」と言われたって何が何の半なのか理解不能ですわよ。吉の半分が半吉ですか?

すると「大吉・中吉・小吉・吉・半吉・凶」って事になりますね。これが単に吉の分量の多い順っていうならそれでいいんですが、でも「吉」と凶の間に「半吉」があると「吉も半分、凶も半分」って風にも見えてきますよ? 「吉凶半々」だと、これ割合になりますが。

しかし割合といってもパーセンテージで現すのは無理があります。何故ならば「吉」の割合が0の場合に「凶」というのか、それとも「吉」とは別に「凶」というものも存在するのか、そこが曖昧だからです。

仮に「吉凶半々」が「吉」半分「凶」半分の状態だと仮定するなら、「吉」でも「凶」でもない「0」の状態が存在しなければなりません。でもそれっておみくじにないのよね。

「凶」が「吉」の存在しない「0」とするならば、「大吉・中吉・小吉・吉・凶」で問題ないのですが、しかしそこには「半吉」の入る余地がない。もし強引に入れるとするならば、「吉」を「1」として「凶」を「0」とした時に「0.5」が「半吉」であるという具合に質量の如く厳密にこれを定めないと曖昧さが残ってしまうのですわ。

0.5の吉。
それってどんだけよ。
「凶」じゃないだけマシってだけですね。


ところでWIKIによりますと、「半吉」はオーソドックスな「大吉・中吉・小吉・吉・凶」には含まれず、

(多い所では「大吉・中吉・小吉・吉・半吉・末吉・末小吉・凶・小凶・半凶・末凶・大凶」など[4] 。最近では書かれている運勢が「大大吉」や「大大凶」がある寺社もある)

とかっこでくくられておりますので、比較的最近出来たものなんでしょう。それもあまり深く考えられずに。だって

「大吉・中吉・小吉・吉・半吉・末吉・末小吉・凶・小凶・半凶・末凶・大凶」

って、順番めちゃくちゃじゃないですか。
こういう書き方をされると脳裏に浮かぶのはもはや見た目の大きさじゃなくて数直線ですよ。吉凶の中間に位置する「0」はこの場合くじで表現する言葉がないから割愛されているだけで、「末小吉」と「凶」の間に存在していると、これ見た人はなんとなく仮定してしまいます。

ところがここに「半」を通り越してワケのわからない「末」という言葉が登場します。なんですか、これ。意味不明も極まってますよ、いいかげん。

数学には絶対値という概念があって、数直線上で考えるなら0をはさんでプラス方向にもマイナス方向にも「5」は「5」で同じ距離だけ離れ、マイナス記号がついているからといって整数の順序が逆転することはない――つまりプラス方向に「0、1、2、3、4、5」と数えるのと同様に、マイナス方向にも「0、-1、-2、-3、-4、-5」と数えていくわけです。

ところが上のおみくじにはこれが当てはめられない。
「大吉・中吉・小吉・吉・半吉・末吉・末小吉」と吉が続くなら
「大凶・中凶・小凶・凶・半凶・末凶・末小凶」となるべきで、
これを並べれば
「大吉・中吉・小吉・吉・半吉・末吉・末小吉・末小凶、末凶、半凶、凶、小凶、中凶、大凶」
となるはずなのに、実際に並んでいるのは
「大吉・中吉・小吉・吉・半吉・末吉・末小吉・凶・小凶・半凶・末凶・大凶」
なんですよ? 順番もさることながら、何か足りなくなってません?

「凶」は縁起が悪いから数を減らしたいという気持ちはわかります。
「大凶」はインパクトが強いから残すしそれに対応する「小凶」も残すとして、中途半端な「中凶」は取り除くというのも人情として理解できます。

でも「半凶」と「末凶」は絶対値の観点に照らせば「小凶」よりも0に近い位置に来なければ変でしょ。しかも「半吉」「末吉」とは順番が逆だし。

まあこれはWIKI書いた人が順序を適当にしたという事も考えられますからこれ以上は追求しませんけど。
でも「吉」の部分だけとりあげても、「半吉・末吉・末小吉」のあたりの並びになるともはや思いつきのレベルですからね。どれがどのぐらい余計にありがたいのか全くわかりゃしない。

もちろん「運勢」を数量的に測ること自体が間違ってるんだけど。
しかしその数量的に測れない運勢に対して「半」なんて概念を持ち込むのがそもそもおかしいんですよ。

ま、そんなわけで「半吉」なんて堂々と書いてあるおみくじなんて、ひいただけバカをみたと思って忘れるのが一番でしょう。