ブログネタ:ケーキと言えば?
参加中
本文はここから
"What kind of cake do you like? "
「どんな種類のケーキがお好きですか?」
英会話のクラスで勉強中、アメリカ出身の先生からこの質問を受けました。
私は「アップルパイが好きです」と答えたんです。
そうしたら先生がおっしゃるにはパイはケーキじゃない、と。
パイはケーキではないので、答えを言い直せとしつこく迫るのですわ。
当時学生だった私の頭の中は?でいっぱいになりましたよ。
え? パイってケーキじゃなかったの? だってケーキ屋さんに並んでて、ケーキ屋さんで買ってくるじゃん? パイがケーキじゃないなら、じゃあ何がケーキよ? チョコケーキ? でも私チョコケーキよりアップルパイやブルーベリーパイの方が好きなのに……、パイがケーキじゃないなら答えようがないんだけど……。
先生ってば、私が自分の好きなパイやタルトの類の名前をあげるとことごとく
「それはケーキじゃない」
といって解答受け付けてくれないんです。
念のために書きますが、私の解答は文法的には別に間違ってないんです。
もしもこれが日本の学校でテストに出たものなら、日本人の先生はアップルパイで丸をくれたでしょう。
でもアメリカ人の先生にとってはcakeとpieは厳密に区別するものであり、
"What kind of cake do you like? "
と質問された時に答えがcake の範疇に正しく収まっていなければ間違った解答になってしまうのです。
その事はすぐに分かったんですが、しかしながら日本人の私にとってはケーキとパイを違うものとして分ける時にどこで線引きしたらいいのかがよく分からないというのがこのジレンマを引き起こしたのですね。
さらにまた、私にとって重要だったのは実は likeの部分で、自分が好きなケーキという事にこだわってしまい好きじゃないケーキの名前は挙げることができなかったというのが解答に時間がかかった原因でもあります。
これは会話のレッスンであって、先生が本当に私の好みのケーキの種類を知りたいわけではないのだから、好き嫌いに関わらず分かりやすいケーキの名前を挙げればそれでよかったんです。
最終的にその結論に辿り着いて、何でもいいからとにかくケーキと名前につく物にしようとチョコレートケーキの名を挙げてようやく解放して貰えました。
パイもケーキも、日本人にとっては「ケーキ」なんですけどねー。西洋から入ってきた、オーブンで焼き上げて飾り付けをした後切り分けて売られているものとして何となく一括りにしてしまう。
確かに作り方は全然違って、パイはパイ生地から、ケーキはスポンジケーキのケーキ種から作るので両者が別物だと言われれば確かにそうだと納得もできるのですが。
でもあそこまでしつこく「パイはケーキじゃない」と迫られるとは思いもよりませんでした。アメリカ人にとってはこの違いはとても大切なもののようです。
さて、私の苦闘を見ていた英会話教室の学友達はその後は次々にショートケーキとかチーズケーキとかレアチーズケーキとかケーキと最後につくものの名前を挙げてしばらくは事なきを得ていたんですが、そうそう種類があるわけでもないしあったところで全部を覚えているわけでもないのですぐに品切れというかネタ切れになってしまいます(一度出た答えを繰り返すのは歓迎されないのです)。で、知っているケーキの種類を先に全部言われて困ってしまった学友がはっとひらめいたという顔をして嬉しそうに答えました。
「アイ ライク シュークリーム♪」
先生答えていわく。
「シュークリームは英語じゃない」
誰か助けて~!
*シュークリームはもとはフランス語の「シュー・ア・ラ・クレーム」。
それを「シュークリーム」と名付けた時点ですでに日本語です。