この映画は物語を追うより映像そのものの美しさに耽溺する方が楽しめます。
作品を撮るために長期間かけてロケハンを行い、その結果選ばれただけあってヨーロッパの明るい森の景色がそれは美しく描き出されます。
森といえば「ディファイアンス」や「チェ」2部作でも人が隠れ住む所として出てくるのですが、気候風土によって同じ森でも全然様相が異なるんですね。
「アストレとセラドン」では森もフィクションの一部なので、人間にとっての危険というものは都合良く排除され(クズリなんかはいないのよ。ヨーロッパだし)、人の生活に半ば入り込みつつ森としての独立性も維持している雰囲気でした。
世を捨てたいと思ったら森の中に隠れ住み、気候さえよければそこでの採集生活のみで生活することもできないではないものの、人里から完全に隔離されているわけでもないので心配した女性が一人で食べ物をカゴに入れて運んで来ることもできる……そんな感じで描かれていました。赤頭巾ちゃんの成立する以前のお話ですね。
でも私がうっとりしてしまったのはこの映画の衣装。
向かって左は羊飼い、右はドルイドの僧という設定です。
女性の姿が薄衣一枚の時のなんと美しいこと!
すけすけですが、いやらしくはありません。
衣がまといつくことによって裸体よりも上品かつセクシーに女性の体の美しさを見せてくれています。
さすがに人目を気にする時は上に重ね着をするようです。
布が風をはらんで美しいのですよ。
上のは貴婦人なので、羊飼いの娘はもうちょっと軽装になります。
これも透け加減と風のなびき加減で実に脚を美しく見せてますね♪