映画の内容はおいておいて、「アンダーワールド・ビギンズ」って「ドラゴンボール・エボリューション」と丁度対をなす作品だわ~と思ったりして。
まず「ドラゴンボール・エボリューション」を見た時に感じた事は、この映画の監督って徹底的に美少女好きなんだわということなのね。ブルマ、チチ、マイといったメインキャラクターの美女・美少女達のなんと美しく可愛らしく魅力的だったことか!
それにひきかえ、悟空、無天老師、ヤムチャ達のあのビジュアルのひどさは一体何なんでしょ? かろうじて悟空だけは主役として登場する最初の内は可愛くて良い表情を見せてくれてるけれど、物語が進みブルマやチチの比重が重くなると、彼の魅力の方はどんどん減っていってしまうのだわ。
あー、この「ドラゴンボールE」の監督、男に全然興味ないんだなーと思いました。まあ、当然っちゃ当然なんだけど、それにしてもこうあからさまに女の子にしか興味ないこと映画でさらしちゃっていいんかい。ま、少年マンガ原作なら、年頃の男の子の興味を惹き付けるためにカワイイ女の子をいっぱい出すのは鉄則なのかもしれないけど。
でも、男の子に魅力がなかったら、女の子の興味は惹かないよね。原作の「ドラゴンボール」は、男の子のキャラも女の子のキャラも、いやいやいや、キャラ全員がとっても魅力的だった。亀仙人だって、あのスケベさが許して貰えてたのは可愛くて魅力的なファンキー爺ちゃんだったからだよ。スケベじゃなくても「ドラゴンボールE」無天老師には魅力が全くなかったのとは大違い。折角チョウ・ユンファを起用しながら、何じゃありゃ。
と思っているところに「アンダーワールド・ビギンズ」を見たら、この映画では主役の女性に全く魅力がなかったのである。この監督、きっと女に、興味ない。
主役を演じたのがローナ・ミトラじゃなくて、「アンダーワールド」の顔ともいえるケイト・ベッキンセール自身だったらもうちょっと違った印象を受けたのかもしれないけれど。ケイトの演じたセリーンはローナの演じたソーニャと生き写しという設定だったから、ソーニャをケイトが演じてもよかったはずなのだ。
ただ、ソーニャってキャラ自体があまり魅力的に描かれてなかったですね。単に真の主役である男二人を対立されるための材料としてそこにいたというだけの人物でした。
それでもケイト・ベッキンセールのように、そこにいるだけで目を瞠るほど美しい女優さんならよかったでしょうが、ローナ・ミトラ、ケイトに確かに似てはいるものの美しさでは今一歩及んでないんですよね。強さという点でも、細身のケイトの方がよっぽど強く見えたのは演技力の違いでしょうか。
もっとも監督が描きたかったのは彼女ではなく、彼女をめぐる男二人、ビクターとルシアンの葛藤だったので、監督的にはそれでOKだったのでしょうね。もうちょっと観客側の需要も理解して欲しかったと思うところです。
ビクターのビル・ナイはそれは格好良く、ルシアンのマイケル・シーンも目ばかりぎらぎらさせて目立ちまくり、双方を取り巻く仲間の男連中もそれぞれ画面上で目立つシーンいっっぱいもらってました。それに比べてその他の女性が出てくるシーンの少ないこと。幾らなんでももうちょっと華があってもいいんじゃないだろうかと思う程、男ばっかりな映画でした。
それで戦闘シーンが血湧き肉躍るかというと、そうでもないのね。
見どころは人間がライカンへと変身を遂げるシーンなのかもしれないけれど、このライカンの造型があまり私好みではなかったので琴線に触れるものがなかったというか。
そもそも夜のシーンがほとんどなので、画面が全体にブルーブラックの色調なので、例えば肌の色の下に透ける血潮にセクシーさを感じるとか、そういう部分もないんですわ。
鎧とか馬具とかお屋敷の丁度とか、美術は美しくてちょっと「ロード・オブ・ザ・リング」を彷彿とさせたんですが、それも色調が抑えられていたのがちょっと残念でした。
この「アンダーワールド・ビギンズ」って、話の顛末がどうなるかというのは実は前作で全部語られているわけで、その点でも「ドラゴンボールE」に近いものがあるんですよ。起承転結がわかっている物語をどうおもしろく見せるかというのがポイントなんですが、双方おもしろくしきれなかったという点でも似通っているかも。
監督が女好きでも男好きでもかまわんのですが、観客に対してはは男女共目を楽しませる作品に仕上げて欲しいと2作品を見て思ったことでした。