毎週月曜日 20:00~21:00ほか
ジャーニーマン~時空を超えた赤い糸 
4月8日(水)23:00 FOXチャンネルでスタート!
毎週水曜日 23:00~23:55 ほか

(以下公式サイトより一部抜粋)

時は全てを変える…
時空を越えた彼の使命とは?
現代と過去の狭間で葛藤する、一人の男の物語。
そこに潜む1本の赤い糸により今、彼の運命が変わろうとしている。

“ザ・ホワイトハウス”のエミー賞受賞プロデューサーが贈るロマンチック・ミステリードラマ


アメリカ/2007年9月NBC放送/60分/全13話/字幕

サンフランシスコに住む新聞記者ダンは、ある日突然過去にタイムトリップをしてしまう。妻と息子、3人家族でごく当たり前の幸せな生活を送っていた彼に一体何が起きたのか?

過去を行き来し、人々の命を助け、彼らの人生を変える・・・

突然の失踪により仕事や家庭にもだんだんと影響が。さらに、時空を越え、以前の婚約者との関係も複雑に絡まり合い、恋の三角関係を引き起こす。SFとミステリー、ロマンチックなストーリーが織り成す感動の作品。

【見所】
現在と過去を行き来するダン。注目はその時代に合ったガジェットである。過去では、人の顔と同じくらい大きい初期の携帯電話や、ウォークマンが発明される以前の設定で、ラジカセをかついで歩いている通行人等、こまかい注意が払われている。逆に現代の技術革新を象徴するiPodや、ハイブリッドカー等が度々出てくる。



FOX試写会二本目がこれ。

上記の【見所】で紹介されているのはガジェット(小道具)ばかりですが、私がまず「どひゃっ」と目を剥いたのは女性の衣装でした。「ちょ、ちょっとやりすぎじゃない?」みたいに派手なものが登場したので。

で、その瞬間、「あ、これは現代ではないわ~」との認識が生まれたわけです。年代を特定できるほどファッションに明るいわけではないけれど、今街を歩いていてそんな服着ている人は誰もいないぐらいはわかりますから。

おそらく、女性であればメイクやヘアも時代設定に合わせて変えているはず。当然男性の服にも細かい違いがあるのでしょう(その辺は私には全く分かりませんが)。

それから靴。それも運動靴というかスニーカーという類の物。これはここ2~30年ぐらいでデザインや機能が目に見えて変化したものですから、時代を推し量る指標として大変便利なものみたいです(これもよく分からない世界ではありますが)。


第一回では主人公のダンがトリップ(これが麻薬でぶっとんでるのと同義語なのが笑いを誘います)した先が現代にワリに近い過去なので、こういった細かい点に注目しなければ「何が起こったのか分からない」という状況に陥ります。ダン自身がそういう感じで戸惑っている様子が描写されますが、目敏い視聴者ならばダンより先にそこが過去である事に気づき、優越感に浸れちゃったりするわけです。



ところでガジェットで過去を演出して視聴者の郷愁をあおりつつミステリアスなドラマをすすめるというのには、去年あたりWOWOWで放送していた「キケンな女刑事 バック・トゥ・80’s 」という英国製のドラマがありました。これはヒロインが80年代に行ったきりで戻れないので同一の過去しか描かれない点が「ジャーニーマン」とは違いますが、【見所】のコンセプトはほぼ同じですね。


実は「ジャーニーマン」にはこれ以外にも他の作品に似た部分があります。


「タイムトラベルもの」として見ると、タイムトラベル(トリップ)する時の視覚効果や過去のできごとを変えると戻った時代がそれに応じて出かけた時の時代と微妙に変わっているというあたりは「タイムコップ」に似ています。

「タイムコップ」では主人公(ジャン・クロード・ヴァン・ダムだった!)は過去のある一点の時間に狙いを定めて行き、再び現時点に戻ってくることを装置(タイムマシンですよね)を使って意図的に実行しているわけですが、「ジャーニーマン」のダン(ケヴィン・マクキッド)は自分ではワケの分からない内にトリップさせられているらしく、過去のどの時点に行くのかも分からなければ戻ってくる現在も彼が不在の内に時間が進んでいたりして私生活に甚だ迷惑をこうむってはいるものの、過去に戻ってそこに何らかの修正を加えるという点では同じです。

ダンの場合は、自分が何のために過去に戻ったのかを知ることがドラマを形作る上での重要な要素ともなっています。


思いもよらなかった時代にトリップし、そこで自分自身の目的を見いだすという点では、TVシリーズの「HEROES 」のヒロ君の修行前にも近いです。ただヒロ君はそれが自分の力であることだけはしっかり自覚していたのに対し、ダンはトリップが自分の能力なのかどうかも今のところ分かってないですが。


タイムトリップが現実のできごとであることを身内に納得させるための方法としては「オーロラの彼方へ 」で使われた手法が採用されています。きっとダンはこの映画を見たのでしょう。


全体的なトーンとしても「オーロラの彼方へ」に近く、過去に加えた修正が結果的には誰かの人生にとってプラスに働くという結末が一話ごとに用意されているようで、安心してドラマを楽しめる雰囲気です。プラスに働いた人の影には反作用としてマイナスに働いちゃった人も当然存在するわけですが、そういう人はそれなりの人だったと納得させられるような脚本が準備されているようですし。最終的にはどう転ぶのかは分かりませんが、「バタフライ・エフェクト 」のように過去に修正を加えれば加えるだけ悪い方に転ぶ、みたいな後味の悪さは回避されている模様。


そのバタフライ効果 を徹底的に追求した大作(?)が映画「サウンド・オブ・サンダー 」だったが、これは過去に過失で与えた影響が未来に甚大な被害を及ぼすため、もう一度過去に戻ってその過失そのものを発生させないことで現在という時代を維持しようという壮大なもの。「ジャーニーマン」はテレビドラマなので、そこまで大がかりな事は今のところ考えてないようです。



目的も分からないまま能力を得て、それが未来の地球の状況を改善するために必要らしいと気づいていくのがシチュエーションだったのはTVシリーズの「4400 」。設定としてはまるで違うけれども、ダン自身がおかれた状況って、「4400」で帰還して来ていつのまにか能力をつけられていたことに気づくキャラクター達に近いものがあります。



「ジャーニーマン」のダンは、いわば「4400」や「HEROES」といった群像劇の中で脇役として扱われていた能力者達の一人にキャラクターとしての焦点をあててドラマ化した感じなんですね。


一人の男性にスポットをあてることで、彼の超常能力そのものではなく、夫婦愛や親子の絆、兄弟の結びつきといった普遍的なテーマを語ることがドラマの最終的な目標のようです。だから全体的な雰囲気がとても柔らかいんですね。



第一話では謎が謎を呼ぶ段階で何も明らかにされてませんが、とりあえずダンが自分がタイムトリップをするという事実を受け入れたことで次回からはオタオタしなくてすむ……かな? というところ。この先人情物で終わるのか、壮大なSFドラマが展開されるのかは続きを見なければ分かりません。くうっ、引いてくれるぜ!!



まあ何はともあれ百聞は一見に如かずです。

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