「消されたヘッドライン」公式サイト

4月17日に開かれた試写会で見てきました。

実は最初の内、スクリーンの中に体重を増やし髪の毛を中途半端に伸ばしたラッセル・クロウの姿を見るにつけ、もの悲しい気分にさせられていたものなのです。

ああ、あの「グラディエイター」のかっこいい姿はもう見られないんだわ、なんてね。

で、も、

それは間違いでした。

最初は一人であれこれ取材しているだけだったカル(ラッセル・クロウ)ですが、事件に取り組む内に自分の手足となって働いてくれるような同僚に巡り会うのです。

それがデラ(レイチェル・マクアダムス)。
まだ若い女性ながら有能な彼女は、自分では立場はカルと同等とつっぱってはいるものの、実際の立場はカルの部下みたいなものなんです。

その、カルにとっては自分自身の手駒といっていいデラを得た瞬間から、ラッセル・クロウが輝き出すのですよ!

外見は同じくたびれた姿なのに、彼の内側から力強さがあふれるように湧いてくるのですね。目を疑いましたよ、私は。

それで思ったんです。

彼は将の器を持つ男。

生まれついての将軍なんだって。


「グラディエイター」とか「マスター・アンド・コマンダー」とか、私にとってラッセル・クロウの魅力を100%感じられる映画って、彼が対抗勢力に立ち向かう際のしぶとい強さを見せると同時に、部下思いの優しい側面をも感じさせてくれる作品ばかりなのです。

「マス・コマ」では厳密には将軍職についているわけではありませんが、要するに権力のトップに仕えつつ自ら部下を束ねて実戦に赴くそういう強さ、潔さみたいなものは共通しています。

「消されたヘッドライン」でも、デラと手を組んだ途端、カルはそういう立場に身をおいたわけです。ヘレン・ミレン演じる編集長に仕えつつ、剣をペンに持ち替えても敵に切り込む鋭さはそのままにデラと自分の記事を守る、といった感じでしょうか。


そうやって、誰かを守りながら、しかし最後まで戦い抜くラッセル・クロウの姿は、メタボ気味の外見なんて気にならなくなる程かっこいい。



剣だけが武器ではありません。

ペンを手に戦うグラディエイターの姿、スクリーンで楽しむ価値は充分あります。

映画『消されたヘッドライン』ワシントン・グローブ社日本支社発 市民ジャーナリスト・サイトバナー