「な、なあジョッシュ、外で足音が聞こえなかったか?」
「俺は聞かなかった。タクヤ、君は何をそんなに脅えているんだ?」
「そ……それは……」
「そうか、俺には教えてくれるつもりがないんだな。残念だよ、とても」
「ジョッシュ! あれが聞こえないのか? 足音がどんどん近づいて……」
「ヤツがここに来るんだ!」
「ほら、注射の時間だぞ、タクヤ。そんなにケガしてるんだから必要だろ」
「泣くなよ、俺が優しく注射してやるから。痛くないって」
「コラ、その手を放せよ。注射が打てないだろ!」
「いやだー! 絶対に放すもんかー!! 注射は嫌いだーーー!!!」
――命に関わりますよ、木村さん!