バラエティ・ジャパン より
>【米興行】『ターミネーター4』苦しい2位発進
『ナイト ミュージアム2』が1000万ドル以上の差をつけトップ
米20世紀フォックスの人気シリーズ第2弾『ナイト ミュージアム2』が、米ワーナー・ブラザースの大作『ターミネーター4』を抑え米興行ランキングを制した。
メモリアル・デイの祝日を含んだ週末興行。『ナイト ミュージアム2』は、22~24日に4096館で5350万ドルを記録した。対する『ターミネーター4』は、3530館で4300万ドルにとどまった(21日公開のため4日間累計は5640万ドル)。
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現地時間25日(月)まで、正確な週末の興収はわからない。それでも、軍配は『ナイト ミュージアム2』に上がりそうだ。業界関係者たちは当初、ファミリー・ムービーとSFアクションというジャンルの違いこそあれ、両作がもっときん差の戦いを繰り広げると予想していた。サマー・シーズンに公開されるファミリー向け映画1作目という恩恵を受け、ベン・スティラーにとって主演映画の歴代No.1のオープニング記録を作った。
また、海外でも高い成績を記録。93カ国8100館で5010万ドルをマークし、米国内と合わせた興収は、すでに1億300万ドルを突破した。しかし、ランキングでは米ソニー・ピクチャーズの『天使と悪魔』(6040万ドル)を超えられず、2位に甘んじた。
『ターミネーター4』は、『ナイト ミュージアム2』に1000万ドル以上の差をつけられ、苦いスタートとなった。主要な客層にシリーズのファンを見込んでいる作品は、通常、公開初日の金曜日に成績を伸ばす。一方、ファミリー向け映画は土曜や日曜日に手堅い数字を得る。22日から23日にかけて、『ナイト ミュージアム2』は興収30%増で、52%の観客が非ファミリー層。2006年クリスマスに公開され、その週末に4300万ドルを記録した前作『ナイト ミュージアム』をも上回った。
『ターミネーター4』の公開5日間の記録は、『ターミネーター3』の6800万ドルは上回るだろう。マックG監督、クリスチャン・ベール主演作は、Halcyonが製作。海外ではソニー・ピクチャーズが配給しており、約7500万ドルを投資している。多くの海外マーケットが6月初旬に公開、日本では6月13日(土)から東京・丸の内ピカデリーほか全国で公開される。
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米興行ランキング(5月22~24日)◇
1 『ナイト ミュージアム2』(5350万ドル)
2 『ターミネーター4』(4300万ドル)
3 『スター・トレック』(2200万ドル)
4 『天使と悪魔』(2140万ドル)
5 “Dance Flick”(1100万ドル)
6 『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(780万ドル)
7 “Ghosts of Girlfriends Past”(370万ドル)
8 “Obsessed”(200万ドル)
9 『モンスターVSエイリアン』(140万ドル)
10 『セブンティーン・アゲイン』(100万ドル)
それにしても続編映画ばっかりですね。
上位4作と6位の「ウルヴァリン」がそうなります。
「スター・トレック」は正式には続編ではないけれど、テレビシリーズから映画10作までの長い歴史をふまえたものだし、「ウルヴァリン」も「Xメン」あってのスピンオフだもんね。
「ナイトミュージアム2」が一位になったのは、小学生ぐらいのお子さんを連れて家族が安心して見に行ける新作映画がこれしかなかったからでしょう。「モンスターVSエイリアン」も健闘中。
SFというかCGI大作って、グリーンバックを多用するんで人間の衣装や小道具から「緑色」を使ったものが消えるんだよね(グリーンの入っている部分は、グリーンバックでは透明に見えてしまうため)。
そうすると、全体的なトーンがどうしても殺伐とした雰囲気になってしまいます。
だって、人の目を安らげ心を和ませる「緑色」が画面にほとんどないんだから。
暴力的なシーンを多く含んでいる内容で、見た目にも緑の少ない暗い色調の作品ばかりが続くと、いかにそれがアクション大作として売り込まれてもさすがに食傷気味になるんじゃないかな? 丁度そこに「ターミネーター4」が来て、同じCGIなら明るく楽しい「ナイトミュージアム2」の方がいいやと思う観客が多かったのかもしれません。
「ナイトミュージアム2」にも緑はほとんど使われてない(スチールを見る限り)けれど、基調カラーが黄色なんで明るいのよね。『ターミネーター4」は黒と赤ですからな、沈み込みます。荒廃している地球が舞台だから、背景に森や林の緑を持ってくるわけにもいかないし。
「緑色」を合成画面に取り込みたければ、「ブルーバック」合成を使えばいいわけです。当然その合成画面の中で青は使えなくなりますが。CGIといえども、万能ではない。
予算の関係もあって、今まではグリーンバックでいくかブルーバックでいくか、二つに一つのような状況だったんですが(作業しやすいのはグリーンの方だとか)、今後は緻密な計算に基づいてシーンごとにグリーンとブルーを使い分けるようになっていくかも。
だって、スクリーン上に緑が少ないと、やっぱり見ていて少々単調だもんね。
ここんところやたらと森が出てくる映画が増えたと思っていたんだけど、そういうCGI合成の映画に対するアンチテーゼだったのかも。