MovieWalker
より(以下抜粋)
>ジョシュ・ハートネット、木村拓哉、イ・ビョンホンという各国を代表するスターの共演が話題のサスペンス『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』が6月6日(土)に公開される。そこで、来日した監督のトラン・アン・ユンにインタビューを敢行、その撮影アプローチについて聞いてみた。
トラン・アン・ユン監督が「未だかつて見たことのない木村拓哉」と言う通り、本作では、これまでのキムタクとはまるで別人の俳優を目撃することになる。その表情は、日本のトップアイドルであることを忘れさせる。監督は「木村さんは誰でも知ってる日本のスターですよね。だからこそ彼が日本で露出したことのない別の木村拓哉を引き出したかった」と少し得意気な笑みを浮かべた。
木村が扮するシタオは、痛みから人を解放させる神のような存在であり、キリストの再来を思わせる。監督は、「シタオは木村さんが作りあげた人物」と話す。「キリストに対するビジュアルについては、無意識に人々の頭の中に宿っているはず。私はそれを新しいビジュアルに移し替えて、モダンで新しいキリストを描きたかった。木村さんは、作品の中でシタオをいかに強く存在させるかということに関心があったようです。現場ではメイクスタッフと何度も話し合って血のりを追加していました」
トラン・アン・ユン監督は、初監督作品『青いパパイヤの香り』(93)でカンヌ国際映画祭新人賞を受賞し、『シクロ』(95)ではベネチア国際映画祭でグランプリに輝いた若き俊才。生命感あふれる映像で登場人物を美しく捉えるユン監督にとっての美しい映像とは「心にとり憑くもの」だという。
「美しさには2種類あると思う。私は視覚的に美しい映像はあまり好きではなく、むしろ吐き気がする。私が重要視していることは、人の内面的な部分を写しだす映像。観ている人の感性に訴えかけるものです。たとえば飛行機がビルに突っ込む映像はものすごく怖い。だけど、その映像は観た人の心にとり憑いて残る。とてつもない惨さを孕んでいるとしても、自分が映画に求めている美しさはそんな残酷さから引き出されるものだと思います。そういう表現で描く映像が私の撮りたい美しさなんです」と独自のビジュアルへのこだわりを熱く語ってくれた。
現在、村上春樹の原作「ノルウェイの森」を映画化するという次回作の準備のため日本に滞在中のユン監督。日本人としては大ベストセラーの映画化だけにそっちも気になるけど、まずは、美しい男たちが揃った本作でその映像美を体感しよう!
シタオ……「下男」と書いたら「げなん」と読むんですが。
それはさておき、上のインタビューで監督が言っている事、予告編見ただけでも分かりますね。
>美しさには2種類あると思う。私は視覚的に美しい映像はあまり好きではなく、むしろ吐き気がする。私が重要視していることは、人の内面的な部分を写しだす映像。観ている人の感性に訴えかけるものです。
この部分。
監督、わざと普通の人には吐き気がするようなビジュアル作ってるもの。
監督にとって一般的な「視覚的に美しい映像」が「吐き気」を催すものならば、一般的には「吐き気を催すような映像」が彼にとっては美しく思えるものなのでしょう。
随分歪んだものの見方をする人だと予告を見て思っていたけれど、納得だわ。
見るのにかなり覚悟が入りそうだ。