「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」
ジョッシュ・ハートネット インタビュー
ムビコレ
より(以下一部抜粋)
>『青いパパイヤの香り』のトラン・アン・ユン監督が監督した『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』。
まるで一幅の絵のような美しい映像と共に、3人の美しき男たちの苦悩や葛藤、救済を描いた前衛的な作品だ。
物語の始まりは、ある青年の失踪。人の痛みを癒す不思議な能力を持つこの青年の行方が明らかになると同時に、彼を追う私立探偵、1人の女性を深く愛する香港マフィアの姿が、壮大な映像詩の中に綴られていく。
主人公の私立探偵を演じるのは、『パール・ハーバー』などで知られるジョシュ・ハートネット。
猟奇殺人事件のトラウマを抱えた元刑事の私立探偵という役柄を繊細に演じ、見る者の心を揺り動かす。
木村拓哉、イ・ビョンホンというアジアのトップスターと共演した彼に、映画について聞いた。
──本作はベトナム系フランス人の監督、日本人の木村拓哉、韓国人のイ・ビョンホンがメインキャストを務めていますが、国際色豊かな作品に出演した感想は?
ジョシュ・ハートネット(以下、JH):言葉の問題で、コミュニケーションをとるのに苦労しました(笑)。でも、映画作りはどこでも同じだと分かったことは収穫です。俳優もカメラマンも音響スタッフも、どの国でも同じ。そして、監督は神だということですね(笑)。(中略)
──監督から、どんな演技指導がありましたか?
JH:まず、アイルランドの画家フランシス・ベーコンの画集を渡されました。映画の中で僕は、シャツを脱いだ上半身裸の姿が多いのですが、ベーコンの少しグロテスクな雰囲気を求めていましたね。
──木村拓哉さん、イ・ビョンホンさんと共演した感想は? 撮影中、一緒に食事に行ったりなどしたのでしょうか?
JH:実は、昨日もイ・ビョンホンと彼の従兄弟と食事に行き、一緒に飲んだりしたんですよ。それにしても昨夜の(3人が揃った)プレミアには圧倒されました。それに、あんなにイ・ビョンホンの裸の写真を持った女性が多く集まるとは……。初めての体験でした。こういう映画の撮影現場は、小さな町のようなものなんです。まず、先にスタッフが準備して町を作り、僕たちは後から入っていく。僕たちは、スタッフという名の“大人”たちが作った町に入って行くわけです。つまり僕たちは、その町に一番最近やってきた若いメンバー、“子ども”のような存在です。なので、俳優同士の連帯感は深まりますね。今回も、2人とはすごく仲良くなりました。また、撮影中は、僕たち子どもは、親(スタッフ)に見張られているような気分になり、うんざりしてくる。だから、「今夜はちょっと遊ぼうぜ!」という話になり、子ども同士で出かけていってクレイジーになる、というパターンです。 (中略)
──映画についての感想は?
JH:最初に見たのは、ロンドンで舞台に出ている時でした。なぜかイ・ビョンホンもロンドンにいたので、監督と3人で見たのですが、映画が終わってから2分間、誰も何も言わず……。僕はトイレへ行き、イ・ビョンホンはタバコを吸いに行き、それぞれ考えをまとめていました。それから監督に、何を伝えたかったのかと聞いたら、「どう思う?」と逆に質問されてしまいました。僕が思うに、これは体感する映画。人々の想像力を喚起するために、意図的にあいまいにしているんだと思います。(後略)
ジョッシュ・ハートネットのインタビュー動画はこちら
から!