「ターミネーター4」 公式サイト


鑑賞後、もうこれで「ターミネーター3」は「なかったこと」にしてよし! みたいな清涼感や爽快感が味わえます。



作品自体は大変暗く重いものですが、「1」と「2」へのオマージュに充ち満ちて(ところどころ「ロボコップ」もあったような)、監督始めスタッフ全員の「ターミネーター」にかける愛が伝わってきます。その点、先んじて公開された「スタートレック」によく似ていて、「T4」の北米での成績が2位発進とイマイチふるわなかったのは同様の作品が続いちゃったせいなのかな、と思ったりして。それと不景気で世の中自体が暗いので、今の時代は暗くて重い作品よりも明るいコメディの方が受けがいいのかもしれません。

というのも私にとっては「ターミネーター4」は非の打ち所のないおもしろい作品だったもので、この映画が興行的にイマイチだなんて、信じられないんですよね!(もっとも私の好きな作品は、大抵興行的には大したことないまま終わるんですが)


とにかく、出てくる俳優さん達全員が綺麗なこと!


予告やポスター、チラシで見た時には

「なんや、ぱっとせん男やなあ」

等と思っていたサム・ワーシントン、この方スクリーンの中だと目を瞠るほど美しいんです。びっくりしました。

最初の方で顔についた泥を拭い落とすシーンがあるんですが、そこで思ったのが

「ジョージ・クルーニーに似てる!」

でしたね。


何と申しましょうか、顔立ちそのものは違うんですが、頭蓋骨の形がジョージに似ているんですね。サムは頭から爪先まで、その骨格が美しい人なのです。


これはサムだけじゃなくて、出てくる他の俳優さん全員がそうでした。

顔立ちももちろん美男美女なんですが、でもその中に入っている骨がまず美しい。

特に頬骨!

あたし、自分がひょっとしたら頬骨フェチなんじゃないかと思うぐらい、キャスト全員の頬骨の美しさにうっとりしましたよ(ちなみに私がキムタクを認識できないのは、彼の頬骨はフラットでどこにあるのか分からないから。どうやら私は機械同様、頬骨で個人を特定しているらしい)。


頭蓋骨は左右のバランスを頬骨ではかりますが、全身像は立った時のバランスのよさでプロポーションの良し悪しをはかります。というわけで、皆様立ち姿が非常に綺麗! 身長の高さに合った美しいバランスを有する骨格の宝庫でございます。


で、思いました。


この監督、人体の中でもとりわけ骨格が好きなんだ、と。


そりゃあ、ターミネーターが大好きなワケですよ、あれは骨になってからが最強なんだから。


実際、映画の中に出てくるターミネーターはほとんどがスケルトン(骸骨)状態のままで、たまに筋肉をよろったT-800が出てきても、あっという間に骨に戻ってしまうんですわ。


骨、大好きなんでしょうね、監督。

しかも動くヤツ。

子どもの頃レイ・ハリーハウゼンの映画に夢中になったに違いないわ。


普通は筋肉に惹かれるものなんだけど、この監督に関しては興味の対象は筋肉のその下にある骨ですわ。

とはいえ、人体であれば骨を動かすためには筋肉が必要です。一連の動きを滑らかにこなすためには自ずと鍛えられた筋肉が必要になる。美しい骨格の上に、無駄のない美しい筋肉。それで「ターミネーター4」に出てくる人達は全員が美しい人体の持ち主になったのでしょう。


その上、演技も上手いんですな!


クリスチャン・ベールが上手なのは当然ですが、サム・ワーシントンもアントン・イェルチンもそれぞれ全くひけをとらないだけの演技で「主役」を張っているので、どのシーンを見ても緊張感が途切れるということがないんです。その他の誰の演技を見ても、そこだけ下手で緊張の糸が緩むということがありません。


見どころはもちろん激しいアクションシーンの連続なんですが、それだけの映画ではないのです。


見終わると、不思議なほど純粋なものを見た気にさせられます。


そう、この映画では、誰の目も澄んでいて、とても美しい。


下手な美術館にいくよりも「美」にあふれた映画かもしれません、「ターミネーター」なのにね。


美しい人体と機械の機能美に浸りたい方はぜひどうぞ!