シネマトゥデイ より(以下一部抜粋)
24日、サンディエゴで開催中のコミック・コンで映画『崖の上のポニョ』が紹介され、宮崎駿監督が登場し、客席からは拍手がわき起こり、スタンディング・オベーションとなった。
コミック・コン開催2日目となる24日、ディズニーはジョン・ラセター司会のもと、新作アニメーションのプレゼンテーションを行った。映画『トイ・ストーリー3』の映像を初めて披露したほか、1992年にアニメ作品として初めてアカデミー賞の作品賞にノミネートされた映画『美女と野獣』を3D化した映像や、久々の2D作品となる映画『ザ・プリンセス・アンド・ザ・フロッグ』(原題)などが紹介された。
そして最後に来月アメリカで公開予定の『崖の上のポニョ』が紹介され、宮崎監督が登場した。著者自身、コミック・コンの巨大なメイン会場でスタンディング・オベーションを見たのは初めてで、アメリカでの宮崎監督人気を肌で感じることができた。宮崎監督が「ジョン・ラセターさんとの友情で、ここにやって来ることができました」と観客に向かって伝えると、司会のラセターは「ようこそ宮崎さん」と返し、パネルディスカッションが始まった。
ストーリーをどうやって作っていくか教えてほしいというラセターの質問に、宮崎監督は「考えて考えて、ずっと考えることでストーリーを作っていくんです。何かほかにいい方法があれば教えてください(笑)」と答え、会場の笑いを誘った。またポニョのアイデアの誕生については「最初は男の子がブリキのカエルを拾うという物語だったんです。でもどうやってもカエルがキャラクターにならなかったので金魚にしたんです。金魚にしておいて良かったと思っています」と答え、再び笑いを誘った。
また、新作での鮮やかな色合いについて尋ねられると、「世界をシンプルに描きたかったのと、主人公が真っ赤ですから、それに負けないようにしたかったので鮮やかなものになってしまったんです」とコメントした。ハリウッドを代表するアニメーターのラセターが、「宮崎さんの隣にいられてうれしい!」と一ファンに戻って興奮気味に話している姿が、何ともほほ笑ましかった。宮崎監督とラセターの2ショットに、会場に詰め掛けたファンは大いに酔いしれたに違いない。『崖の上のポニョ』は8月14日にアメリカで公開予定。宮崎作品としてはこれまでで最高の規模の上映になるらしく、本作がアメリカ人の観客にどのように受け入れられるか、公開が楽しみだ。