映画生活より(以下一部抜粋)
>イタリアで9月2日から開催される第66回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に、塚本晋也監督の最新作『TETSUO THE BULLET MAN』が日本で唯一、正式出品されることが決定した。
>同映画祭と縁が深い塚本監督は、1997年と2005年に審査員を務め、2002年にコントロ・コレンテ部門審査員特別賞を受賞した『六月の蛇』をはじめ、1998年には『BULLET BALLET バレット・バレエ』、2000年には『双生児』、2004年には『ヴィタール』が招待作品として上映されている。これで5度目の出品となるが、コンペティション部門への出品は今回が初めて。日本映画としては、1952年の『羅生門』、1958年の『無法松の一生』、1997年の『HANA-BI』以来となる最高賞“金獅子賞”に期待がかかる。
『TETSUO THE BULLET MAN』は、1989年に公開された塚本監督の代表作『鉄男』の21世紀版。海外も視野に入れているため、全編英語で撮影された。同作は今月23日、米カリフォルニア州サンディエゴで開催された「Comic-Con(コミコン)2009」で製作発表が行われたばかりだが、早くも世界中から注目を集めている。
公式上映には、塚本監督と主演のエリック・ボジック、桃生亜希子が出席予定。塚本監督は「伝統のヴェネチア映画祭コンペ入り。信じられません。最初の『鉄男』がローマ・ファンタスティック映画祭でグランプリを頂き、自分の映画人生が始まった。イタリアの主要都市で僕の回顧展も大々的に開催していただいた。ヴェネチア映画祭にはずいぶん作品とともに呼んでいただき、審査員もやらせていただいた。でもコンペ部門にはまだ入ったことがない。いつかそんな日がくればいいとは思っていたが、まさかその願いがかなうとは夢にも思っていなかった。『鉄男』が生まれて20年。やんちゃだった自分も、いつしか40代最後の年となった。十数年、ずっと作りたいと言い続けてきただけに、最高のワールドプレミアとなった。ヴェネチアの空の下、新しい“鉄男”に大暴れしてもらおうと思う」と喜びのコメントを寄せている。
『TETSUO THE BULLET MAN』
2010年、全国ロードショー