Movie Walker より(以下一部抜粋)
興収41億円を突破し、メガヒット中の『ハリー・ポッターと謎のプリンス』で、ハリーと敵対するドラコ・マルフォイ役のトム・フェルトンが来日。インタビューをしたら、ずる賢い悪役ドラコとは180度違うトムの素顔にちょっぴり胸キュンとなった。
本作でのドラコは、物語の鍵を握る重要キャラだ。なんとハリーの宿敵ヴォルデモート卿からある重大な任務を課せられ、これまで見せることのなかった、心の葛藤や精神的弱さを露呈していく。
「今回はドラコのふたつの側面を出したいと思ったよ。ひとつは、今まで以上に憎まれるような激しくバイオレントな部分、もうひとつは、傷つきやすいソフトな部分だ。最初はものすごく憎たらしいけど、最後には同情を買うぐらいまでもっていきたいと思ったんだ」
ドラコとハリーは、まるでコインの表と裏のように、シリーズを追うごとに正反対のキャラクターになっていく。役作りにおいて、ハリー役のダニエル・ラドクリフの演技を参考にしたりするのだろうか?
「ダニエルはすごく素晴らしい俳優だと思う。だからドラコがハリーを憎まないといけないとき、彼の僕に対する憎しみの演技を参考にしたりするよ。僕はダニエルに『今のでいいのかな?』とよく相談をするし、彼も僕に相談してくる。お互いの演技を助け合ってるところがあって、カメラが回ってないところではとてもいい友達同士なんだ」
シリーズ6作目を通じてドラコを演じてきたトムだが、ドラコと似てる部分、似てない部分について聞いてみたい。
「ドラコに似てる部分はぜんぜんなくて、むしろ僕とドラコは完全に真逆だと思う。僕は非常にお気楽キャラなので、彼みたいに人をうらやんだり嫉妬したりすることはない。しかも彼はいつも緊張しているし。いちばん違うのは、僕の両親は彼の両親と違っていい親だってところかな(笑)」
では、常に悪役側にいるドラコだが、ぶっちゃけ、ハリーの味方サイドにいきたいと思ったことはないのだろうか?
「ぜんぜん思ったことないよ」
と即答して笑うトム。
「実はダニエルやルパート(・グリント)、エマ(・ワトソン)はすごく自分が演じている役に似てるんだ。エマは(ハーマイオニーのように)本当に頭がいいし、ルパートは(ロンのように)面白いし、ダニエルも同じく頭がいい。彼らは役柄そのままなんだけど、僕はまったく正反対の役を演じられるわけで。だから、日々のフラストレーションをドラコ役で全部出せるんだ(笑)。ある意味、セラピーを受けてるような感じだね。それはとってもハッピーなことだよ」
「ドラコと共に成長してきた」
と言っていたトム。いじわるドラコと、礼儀正しく柔和な素顔のトムとのギャップにはびっくりしたが、だからこそ役者としての面白みを感じる。クライマックスに向けて、いよいよドラマチックになっていく『ハリポタ』シリーズだが、その一端を担うトムの活躍ぶりにも注目していきたい