スパゲティ食べる時って、お皿の中で長いパスタをフォークにくるくるっと巻き付けるでしょ。
でもどれだけくるくるやっても、アルデンテにゆであがったスパゲティだと最後の部分はフォークからはずれてだらんとぶら下がりますよね。

実は私、その最後に残った部分のスパゲティを一本つるつるっと吸い上げて食べるのが好きなんですよね~。程よい硬さと細さの麺を唇の真ん中の隙間からつるーっと吸い込む時の食感がたまらないというか。

で、スパゲティを吸い上げたあとの唇にソースが色濃く残っているのを舌先でちらっとなめ取るのも美味しいんですよね。麺の歯応えを楽しみつつ同時に味わいも新たに確認できるような気が致します。


ところが先日行ったお店のスパゲティにはその大事な「はしっこ」がなかったんですよね。

だって、ほら、このとおり!
Who killed Cock Robin?
わかります?
麺が最後の最後まで完全にフォークに巻き付いているんです!

いや、びっくりしましたね~。

これは「半熟玉子のカルボナーラ」ですから、確かにソースの粘性が高いというのはあるんです。
でもどんだけカルボナーラでも、乾麺をゆでたものだったら絶対こうはならない。なったとしたら、それはアルデンテをとっくに捨てたスパゲティーとしての矜持のない食べ物ですわ。

ところがこのパスタははこんなにぴったりフォークにからみついているにもかかわらず、すごく弾力があって腰の強い麺なんです。口に入れた瞬間からもうびっくりですよ。

実はこのお店、「銀座パスフェ」は日本じゃ珍しい生パスタ専門店なんですよね。

生パスタ、最近では輸入食品を扱っているお店で袋入りのも買えるので、ゆで時間が短くてすむという理由で家では何度か食べたことはありました。乾麺と違う味わいはそれなりに美味しいと思ってもいました。

でも、プロの腕にかかるとここまで違うものになるとは、正直夢にも思ってませんでしたよ。

これはもうね、今までに食べた事のないものです。

乾麺のアルデンテは確かに歯応えや弾力を味わうことができますが、なんというか麺の一本一本が我が道を行くというか、それぞれがはねっかえりというか、まあお口に入れても独立独歩を歩んでる感じじゃないですか。だからこそ最後に残ったはしっこをつるっと吸い込むことに「おらっ、これで全部退治したぞ」的な喜びを感じちゃったりするあるわけです。

ところが生麺をゆであげたものはパスタそれぞれに自己主張があるのに非常に協力的なんですよね。お互いに助け合ってソースを自分達の内側に閉じ込めようじゃないかという意志が働いてるんじゃないかと思うぐらい。とにかく、フォークにくるくるパスタを巻き付けるだけなのにソースのからみがいいもんだからお口の中ですっごく濃厚なんですよ。いちいち唇に残ったソースを味わう必要なんかまるでないんですね。

生麺パスタはそのはしっこの最後の1ミリに至るまで、完全に料理の一部としての自分を見失わないスグレモノ。その証拠にパスタを食べ終わったのにソースだけがお皿に残ってるということもありません。

フォークに巻き付けたパスタを一口でぱくっと食べてしまえるのでソースがはねる心配もないんですよ。これは本当にありがたいですね。あとはもう、お口の中でもちもち感をたっぷりと噛みしめる至福の時を過ごせばいいだけで……。

でね、生麺でしょ、ゆでるのに時間かからないので、待ち時間も少ないんですよ、これが。急いでいる時でも本格イタリアンを味わえるなんて、滅多にないお店ですよ、ここ。


店内はこんな感じ。カウンター席ではシェフの腕の冴が見学できます。
Who killed Cock Robin?
お店が空いてるのは、私が午後4時半という変な時間に行ったから。
それでもスタッフの皆さん、いやな顔ひとつせずに迎えてくれました。

営業時間は午前11時から午後11時半までですが、生麺は一日限定100食なので無くなり次第終了だそうです。

麺のはしっこまでどっぷり味わえる生パスタ専門店「銀座パスフェ」はみゆき通りのコリドー街を横目で見ながら新橋方向に進み、銀座アートホールを過ぎてちょっといった所。

Who killed Cock Robin?


「オールイン」のロゴの下の赤い屋根が目印です。
Who killed Cock Robin?


是非一度もちもちの生パスタをお試しあれ♪


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