シネマトゥデイより (以下一部抜粋)

第18回こはたあつこ「アメリカでのポニョの評判は?の巻」

日本人になったマット・デイモン?

どんな作品でもそうだけど、吹き替え版でまず気になるのが、登場人物たちのオリジナルのキャラが生かされているかどうか。


これに関しては思った以上に素晴らしかった。特に主人公の少年・宗介の英語版は、日本語版の声優さん(土井洋輝 )がそのまま流ちょうな英語でしゃべっているようで、そっくり! 

また、宗介の母親リサ(山口智子 )も、日本版のちゃきちゃきな性格がそのまま英語になっているし、ケイト・ブランシェットの海の女神もどんぴしゃり。

マット・デイモンの宗介の父親、耕一(長島一茂 )に関しては、あまりにもはまっているので、わたしの中では、マットは日本人になってしまったくらい。


強いて言えば、ポニョのたどたどしいしゃべり方が英語では多少失われた感じがしたけど、あまり気にならなかった。

ま た、英語版では翻訳で説明を付け足したのか、日本語版の冒頭で、わたしにとってはわかりにくかったポニョと海の科学者と海の精の関係が、早くから「家族で ある」ことが理解できた。そのせいなのか、日本語版よりずっと楽しめ、映画を見終わった後は、この物語の愛と勇気と生命力に思いっきり感動。

感動したのは、わたしだけではなかった。気が付くと、会場全体が拍手喝采(かっさい)。回りのアメリカ人観客が、幸せな気分で思いっきり拍手しているのが伝わってくる。「オー、ワンダフル!」「グレイト!」


中略

~あとがき~

映画の感想は、人によってさまざま。でも共通しているのは、ほとんどの人が、この作品については、ニコニコ しながら、まるで大好きな子犬について語るような表情で話してくれたこと。今回はロス映画祭のクロージングだけあって、観客には映画関係者が多く、一般客 よりも芸術的志向が高い気がしたけれど、それでも好評だったことは間違いない。アメリカの人たちがここまで日本の作品を褒めてくれるのが自分のことのよう にうれしかった。また、手のぬくもりが感じられるこの宮崎作品は、CG技術が主流で、大手スタジオの商業システムが重要視されるハリウッドの中で、きらき らと輝いて見えた。この原稿が読まれているころは、元気なポニョがアメリカじゅうを駆け巡っていることでしょう。さあ、ポニョよ、走れ! 元気に走れ!  そして、そんなポニョを守れ、宗介!




*この記事では前半部分は割愛してしまったのですが、こはたさんの元記事は大変おもしろいので是非全文を御覧下さい。こちら から。