「Love Letter」や「花とアリス」で知られる岩井俊二監督が、オーランド・ブルームとクリスティーナ・リッチーを起用し、世界中から集められた11人の監督とコラボレーションした映画「New York, I Love You」が、ついに全米公開されました。
タイトル通り同作品は、ニューヨークを舞台にカップルや親子、若者、売春婦、老夫婦らさまざまな世代の人々の出会いとロマンスを11人の監督が1 作品ずつ短編として撮り、すべてをつなげて大きな1つの物語に構成した作品。初恋や忘れられない恋、永遠に続く愛など男女の出会いとさまざまな愛の物語が 描かれています。
この作品の面白いところは単なるオムニバス映画ではないということ。それぞれの監督による独立したラブストーリーながら、出演人物が互いに絡みあ いながら、全体を通じて新たな人間模様も描かれています。岩井監督は、マンハッタンを舞台に創作に悩む作曲家(オーランド)のために女性アシスタント(ク リスティーナ)がドストエフスキーの著書を朗読するシチュエーションを描いています。
この作品のもう1つの見どころは、豪華キャストが集結しているということ。オーランド、クリスティーナの他、ナタリー・ポートマン、シャイア・ラ ブーフ、イーサン・ホーク、ヘイデン・クリステンセン、アンディ・ガルシア、クリス・クーパー…と名前を挙げたら切りがありません。製作総指揮はパリを舞 台に1話5分18編の等身大ラブストーリーを集めた「パリ、ジュテーム」のプロデューサーが担当。監督には、人気ドラマ「プリズン・ブレイク」の製作総指 揮を務めたブレット・ラトナー、「エリザベス」のシュカール・カプール、「鬼が来た!」でカンヌ国際映画祭グランプリを受賞した中国人のチアン・ウェン監 督らバラエティー豊かな個性的な顔ぶれがそろい、女優ナタリー・ポートマンが初監督を務めたことでも話題となっています。当初は女優スカーレット・ヨハン ソンも監督を務める予定でしたが、残念ながら作品にマッチングしないことから撮影シーンはすべてカットされてしまったそうです。
大都会ニューヨークを舞台に織り成す人間模様を時に切なく、時に温かく、描いた同作は個々の監督の個性がキラリと光り、見ごたえも十分。日本では来年2月にTOHOシネマズ・シャンテなどで公開予定です。