Yahoo!ニュース より(以下一部抜粋)

>山田洋次監督10年ぶりの現代劇・映画『おとうと』の完成報告会見が9日、ザ・プリンスパークタワー東京で行われ、山田監督をはじめ、主演の吉永小百合、 笑福亭鶴瓶、蒼井優が登壇した。役作りのため、2か月で15キロもダイエットした鶴瓶は「吉永さんが大根スープを差し入れてくれたり、優しくしてくれるの で、痩せるのが楽しみだった。仕舞いには『これ以上痩せないで、私が太るから』とまで言ってくれはったんですよ。死んでもいいと思いました。本当に幸せで す」と興奮気味に振り返った。

 「(台本に書いていないのに)足をさすってくれた」「昨日もメールくれた」などと、吉永との“絡み”を自慢することしきりの鶴瓶。これを笑って受け止め た吉永は「鶴瓶さんがやつれて痩せていくのを見て、胸が苦しくなる思いでしたので、映画の中でも芝居ではなく気持ちを出すことができました。とても大切な 作品になりました」としみじみ語った。

 山田監督による現代劇は2000年公開の『十五才 学校IV』以来、10年ぶり。監督曰く、『男はつらいよ』シリーズが“愚かな兄と賢い妹の滑稽譚”だとすれば、今作は“賢い姉と愚かな弟の可笑しくて悲し い物語”。東京の郊外で堅実に生きてきた姉・吟子(吉永)と、大阪で芸人に憧れいつしか年を重ねてしまった弟・鉄郎(鶴瓶)との再会と別れを描いている。 大先輩の故・小津安二郎監督と、昨年他界した映画監督の市川崑さんに敬意を表し、1960年に市川監督が製作した『おとうと』とあえて同じタイトルになっ ている。

 鶴瓶を起用した理由について山田監督は、「前々から興味があって、キャスティングを考えている時にすぐに顔が浮かんだ。どんなにひどいことをしても、顔 を見ると許せてしまう。そういう魅力があるから、今の人気があるんだろうと思いました」と説明。山田監督作品の中で、吉永と鶴瓶は『かあべえ』では親戚の おじさん、今作では弟を演じ、「次は夫婦役ですか?」と吉永自ら口にするほど、鶴瓶との共演はまんざらでもない様子だった。

 また、吟子の娘・小春役で出演した蒼井は「山田監督の映画に出るのがずっと夢だったので、嬉しかったです。監督を中心とした輪ができていて、その一員として自分がいることができて幸せ。現場のまなざしのあたたかさが、劇場の観客にも伝われば」と話していた。

 そのほかのキャストに加瀬亮、加藤治子、小林稔侍、石田ゆり子、小日向文世、笹野高史、森本レオらも名を連ねる映画『おとうと』は、来年1月30日(土)より全国公開。