オリコンスタイル より(以下一部抜粋)

>マヤ文明が予言する2012年の世界の終末を、圧倒的なスケールで描くことで前評判の高かったハリウッド大作『2012』が、13日から全米で公開され、 北米映画興行ランキングで初登場1位を獲得した。さらに、北米以外の海外オープニング成績では、歴代1位(続編を除く)という大ヒットを記録。公開前から 話題を呼んでいた本作だが、改めてその注目度の高さを示した。日本では21日より全国公開される。

 2012年に大規模な天変地異が起こり、世界が終末を迎える様子を描く本作。これまでに披露された、大地震、大津波、大規模な火山噴 火などの地球が崩壊する劇中の一部映像は、2012年問題をより現実的な問題として人々につきつけてきた。実際、この「2012年地球滅亡説」に関して は、NASA(米航空宇宙局)への問い合わせが急増したことから、NASAが異例の声明を発表した経緯がある。マスコミが取り上げる2012年問題の話題 と相まって、映画の公開前からその注目度は非常に高まっていた。

 そんななか公開された本作は、オープニング週末で世界的な大ヒットを記録した。13日から15日の週末3日間で、北米では3404館 で6500万ドル(約58億5000万円)の興行収入をあげ1位を獲得。これは、ディザスター映画の成績では歴代2位。歴代1位の『デイ・アフター・トゥ モロー』(2004年/6874万ドル)を手がけたローランド・エメリッヒ 監 督が、またしても『2012』で、新たな世界的ディザスター映画を世に送り出した。また、北米を除く世界160の地域では、1万2865スクリーンで公開 され、興収1億6000万ドル(約144億円)を記録し、海外オープニングの歴代1位(続編を除く)に輝いた。続編を入れたオープニングも歴代5位。まさ に地球規模の大ヒットになっている。

 本作の大ヒットの要因は、やはりまず、巨額の製作費を投入した大迫力の地球崩壊の映像が挙げられる。海外映画専門紙などでは「監督は すべての想像力を、ディザスター作品の本家である本作の映像化に投入した」(ボックスオフィス・マガジン)「CGへの過信を警戒する向きもあるようだが、 本作のようなスペクタクルとして効果的にCGが使用されたことはいまだかつてない」(アット・ザ・ムービー)などの評価の声がある。一方、それだけではな く、「世界の終末が2時間半のジェットコースターになり、罪深さや後ろめたさが感じられるほど楽しい」(スクリーン・インターナショナル)「いままで製作 されたあらゆるハリウッド超大作ディザスター・ムービーを、様々に活かし、よく計算し、クリシェも埋め込みつつ、ユーモアも忘れない作品」(イマニュエ ル・レビィ・ドットコム)など、息をつく暇さえないアクションの連続やそのストーリー性のよさも特筆している。

 そのほかに、一般ユーザーに大きく響いているのが“感動”のようだ。平穏な日常が突然、大地震などの天変地異にみまわれ、誰もが地球 の崩壊を予感し絶望の淵に陥る・・・。そんななかで、人間とは、生きるとは何かを問い、世界中の人々がそれぞれの大切なもののために何が出来るかを考え る。家族、恋人、仲間、愛するものたちのために、生きる・・・。極限の状態で、人間としての究極的な感情が、ディザスターと折り重なるように綴られてい き、地球上のすべての人々に捧ぐラストシーンでは、涙と感動のクライマックスが、観る人たちを愛で包み込んでいく。登場人物それぞれの人間性、哲学、葛藤 が、大勢の人々の共感を呼ぶことだろう。ラストでは、誰もがそのシーンに胸をうたれ、そこまでの過程を振り返り、心の底に熱いものを感じるに違いない。

 本作は、日本では11月20日(金)より公開(一部劇場を除く)がスタートし、全国公開は21日から。エメリッヒ監督や主演のジョン・キューザック ら キャスト陣が来日して17日に行われたジャパンプレミアは、大勢の観客がつめかけ、大盛況をみせた。ここ日本でも、2012年問題への関心の高さと、世界 規模のヒットを次々に送り出すエメリッヒ監督によるディザスター大作への期待を感じさせる。なお、この日のイベントでは、マヤ文明が地球最後の日とする 2012年12月21日に手紙が届く、「大切な人へ送るメッセージ」という企画が行われ、来場者は映画鑑賞後に思い思いのメッセージを記入して専用BOX に投函した。このメッセージは、地球最後の日に郵便ハガキで大切な人に届けられる。