「私、運命を信じているタイプなんです。運命という言葉も好き。恋愛じゃなくても人と人って何か意味があって出会っていると思うか ら」。そう語るのは21歳のシンガーソングライター、加藤ミリヤ。映画『トワイライト~初恋~』の続編『ニュームーン/トワイライト・サーガ』のイメージ ソングを手掛けている。そのタイトルは、もちろん「Destiny(運命)」。
「過去に映画のイメージソングを手掛けたことがあるので、ものすごく難しい……ということはなかったです。ただ、イメージソングの場合は加藤ミリヤ が作っているけれど映画に歩み寄るというか。映画に完全に染まりすぎてもいけないし、映画の世界観を理解してそれを自分を通じて伝えていくという感じです ね」。
確かに、映画に寄り添い映画の余韻をさらに膨らませてくれるような、そんなイメージソングだが、彼女が言うように歌詞はどちらかというと観客それぞ れの心に投げかけられている。
「1作目の『トワイライト~初恋~』を見たときに感じたのは、あなたがどんな人であってもあなたが私の運命の人なの──とい うメッセージ。だから、ずばり“運命”というテーマで曲を書こうと思ったんです。映画では“たとえヴァンパイアでもあなたが好き”という想いが描かれてい るけれど、それって私たちの日常生活にも置き換えることができるんじゃないかって。例えば、この人に運命を感じる!と思った人がすごく遊んでいる人かもし れないし、すごく嫌な人かもしれない。だけど、女の子って運命を感じると“それでもいい、行っちゃえー!”っていうところがあるでしょう?」。
さすがは同 世代女子からの圧倒的支持を受けるミリヤ。ファンタジー映画のテーマを等身大のメッセージにシフトさせるのはお手のものだ。
また、今回はエドワードとベラの恋の行方が描かれる一方で、ベラの幼なじみのジェイコブの彼女への想いが加わり、物語は切ない三角関係へ。
「そう、今回はジェイコブがベラのことを好きになっていくんですよね。でも、自分のことをいい(好き)って思ってくれる人が出てきたとしても、その人は きっと自分を幸せにしてくれるとしても、この人(運命を感じている人)の方がいいって思うことはあると思う。ベラはとても意志が強くて情熱的なキャラク ター。そんな彼女の情熱を出したくて、ちゃんと歌詞が入ってくるメロディラインにしようと思ったんです」
と語り、続けてベラを夢中にさせるエドワード(ロ バート・パティソン)の魅力をこう解説。
「ミステリアスな王子様タイプですよね。ずーっと暗い(雰囲気)じゃないですか?そういう人、嫌いじゃないですけどね(笑)。個人的なタイプとしては『ト ワイライト~初恋~』の一番嫌な役だったヴァンパイアのジェームズ役(キャム・ギガンデット)が好きでした」
世界中のティーンを熱狂させている『トワイライト』シリーズだが、1作目は映画だけでなくオリジナル・サウンドトラックもヒットチャート入り。パラ モアやリンキン・パーク、ミューズなどのロック・アーティストが参加し、全米アルバム・チャート初登場で1位を記録している。それでも
「プレッシャーは全 然ないです(笑)」ときっぱり。そんな周りに崩されないマイペースな性格はどこか主人公のベラに通じ、本人も「ベラにはもの凄く共感できた」のだと魅力の ハスキーボイスで語る。しかし、今回の「Destiny」の曲では「いつものキーよりも若干高めになっていて、ボーカルにもエフェクトをかけているんで す。ハスキー感は減っていると思います」
のだとか。そんな変化も映画と一緒に確かめてほしい。
最後に加藤ミリヤ的みどころをたずねると
「すごく面白いから絶対に見て!って、いろんな人に勧めたい!」
と口調が強くなり、アーティストである以前にひとりの女性として美しいヴァンパイアのエドワードと人間の少女ベラの禁断の恋が描かれるストーリーに惹かれていると彼女。
「現実ではありえないファンタジー映画だけれど、主人公のベラに自分自身を重ねて、この人は絶対に運命の人なんだという気持ちがすんなり入ってくる。不思議な力を持っている映画ですよね。女の子は絶対にハマるはずです!」