世界待望の映画『アバター』の公開を前に、ジェームズ・キャメロン監督がインタビューに応じ、今後3Dではない映画を作ることに興味がないことを明かした。
『タイタニック』でアカデミー賞史上最多11部門受賞、全世界興収歴代ナンバーワンの偉業を達成したキャメロン監督。そんなキャメロン監督が、映 画史に新たな歴史を刻もうとしている。それが、構想14年、製作4年の長い歳月をかけた『アバター』だ。神秘の星パンドラを舞台に、人間とナヴィ族のハイ ブリッドであるアバターに変化を遂げたジェイクが、幻想美と生命力に満ちた衛星パンドラで冒険を繰り広げ、その星の希望になる姿を描く。
キャメロン監督は「
映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズで、ピーター・ジャクソン監督がゴラムのキャラクターなど革命的なことをやってのけ たのを観て、彼にできるなら、僕にもできると思った」
とクリエイター魂を刺激され、本格的に本作製作に着手した。しかしキャメロン監督が求めていたもの は、そのときすべてそろっていたわけではなかった。
「最初の1年半は、テクノロジー開発に費やされた。イメージベースのフェイシャルパフォーマンスはその 一つ。さらにこのシステムを作るだけでなく、そのデータが正しく送信されるためのシステムを開発する必要もあった」
と遠く険しい製作過程を語る。
これが一般的な監督であれば、途中で妥協し、現状の技術で作品を誕生させたかもしれない。しかしハリウッド随一の完ぺき主義者として知られるキャ メロン監督にその選択肢はなかった。さらにスタート当初3Dシアターは数えるほどで、作品が完成した時代に増えていることを予想し、『アバター』を3D映 画として製作することを決意した。
「僕が映画『ジェームズ・キャメロンの タイタニックの秘密』を3Dで作ったとき、名特殊メイクアップアーティストであるスタン・ウィンストンに観せた。すると彼は『3Dで長編を撮るなら、君に とっての映画『スター・ウォーズ』みたいな、最大かつ最高の映画でやれ』と言ってくれた。だから僕はスタンの意見を受け入れて、僕にとっての最大かつ最高 の映画を3Dで撮ったわけさ!」
と今は亡きスタンの言葉が『アバター』の方向性を決定付けたと明かす。
最後にキャメロン監督は新たな創造がこれまでの苦労を超えたかのように
「3Dでない映画を作ることに、もう興味はない」
とキッパリ。キャメロン監 督を3D映画制作の魅力に目覚めさせた『アバター』。その全ぼうが明かされる日まで、キャメロン監督は世界中のファンたちをヤキモキさせてくれるだろう。