(最初の段落はこの上18:18:18付け記事にあります)
>前作では、バンパイアである自分の正体を隠すために年齢を偽っていたエドワード。しかし今作では、愛するベラに正体が知られているので、抑制する必 要がなくなった。演じるパティンソンさんは、その分、「演じやすくなった」としながら、「ペースを守ることに難しさを感じた」と振り返る。
「『トワイライト』のときは、キャラクターが抱く感情そのものが新鮮で、それを分析する時間が彼ら(キャラクター)自身にもなかった。だから、感 情を直接的に表現できた。対して『ニュームーン』では、例えばベラとエドワードの恋愛をとってみても、既にそういう関係が出来上がっていたから考える余裕 が生まれた。むしろ、エドワードの感情をどう抑制させるかのほうが大変でした」
今作でエドワードは、愛するベラのために彼女の前から姿を消すことを決意し、彼女に本心とは裏腹の言葉を告げる。そのときの目線をはずした演技が印象的だ。
「ベラの視線から逃れようとするエドワードがそこにいるんです。人間がうそをつくとき、相手の目を見て話をしたら、頭や耳をかいたりし始めますよ ね? あのときのエドワードは、自分の行為をすごく恥ずかしく思っている。だから文字通り、頭を垂れて、姿を隠すように話すほうが自然でいいと考えたんで す」
前作では、そのルックスと演技力で若い女性のハートをわしづかみにしたパティンソンさんだが、今作では“強敵”が現れる。それは、前作にも出演し たベラの幼なじみ、ジェイコブ役のテイラー・ロートナーさんだ。筋骨たくましくなったジェイコブは、襲い掛かるバンパイアからベラを守り、また、エドワー ドとの別離によって傷ついた彼女の心を優しく癒やし、まさに、彼女にとっての大きな支えとなっていく。
インタビューの2日前に完成版を見たばかりだというパティンソンさんは「今回のテイラーには、みんながほれ込むんじゃないかな。見た人全員がベラにはジェ イコブの方がいいと言い出すんじゃないかとちょっとおびえているんだ」と内心複雑そう。すぐに笑顔で「恋のライバルの相手として不足はないよ」と話し、さ らに「実際のテイラーもすてきでいいやつだよ」とたたえることも忘れなかった。
エドワードと自分の共通点を「一匹オオカミのところと極端な選択をしてしまうところ」と話し、お気に入りのセリフにベラとエドワードが互いに「ア イ・ラブ・ユー」と言い合うシーンを挙げる。その理由を「シリーズを通して、この言葉を2人が口にするのはそのときだけというのがとても興味深いし、それ に、2人とも全く違う理由でそういっているというところが胸に迫る。特にエドワードは、多分あのセリフがいちばん痛みを伴う瞬間だったと思う。だからこ そ、僕のなかでは特別なものとして残っているんです」と静かに語る。 前作よりアクションシーンは控えめ。それによってむしろ、エドワード、ベラ、ジェイコブの心の揺れが浮かび上がるようになっている。パティンソン さんが、シリーズを通して唯一と挙げる「アイ・ラブ・ユー」のシーンをどのように演じたのか、ベラをめぐるジェイコブとの闘いが3人の関係にどのような影 響を与えるのか。それを知りたければ劇場に行こう。
<プロフィル>
86年、ロンドン出身。15歳のときから演技を初め、数々の舞台に立ち経験を積む。04年「Sword of Xanten」で本格的なデビュー を果たす。彼の名を一躍世に知らしめたのは、「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」(05年)でのセドリック・ディゴリー役。続く「ハリー・ポッターと不 死鳥の騎士団」(07年)でも回想部分で登場した。俳優のかたわらミュージシャンとしても活躍し、前作「トワイライト~初恋~」では楽曲提供もしている。 待機作に、ピアース・ブロスナンさんと共演した「Remember Me」、ヒュー・ジャックマンさんとの西部劇「Unbound Captives」な どがある。