時事通信  

元俳優押尾学容疑者(31)の麻薬取締法違反事件で、同容疑者が女性(30)の死亡したマンション一室を出た後、警視庁からの電話にすぐ応答していなかったことが9日、捜査関係者への取材で分かった。
 同容疑者はネット販売業泉田勇介容疑者(31)と行動し、生理食塩水などで合成麻薬MDMAの使用を隠そうとした疑いがあり、同庁捜査1課は経緯を調べている。

 同課は同日、麻薬取締法違反(譲渡)容疑などで押尾容疑者ら3人を送検した。
 同課によると、飲食店従業員田中香織さんは8月2日、東京都港区のマンション一室で、押尾容疑者と2人でMDMAを使用し、急性薬物中毒で死亡したとみられる。

 田中さんが同日午後2時半ごろに同室を訪ねるまでの間、押尾、泉田両容疑者はそばなどを食べ、同室にもいた。田中さんの異変後、泉田容疑者は駆け付け、知人男性が119番した同9時20分前後に、両容疑者はマンションの別の部屋に移動した。

 捜査関係者によると、押尾容疑者はその後、別の場所に移動し、さらにタクシーなどを使って数カ所に立ち寄った。

 携帯電話にかかってきた警視庁からの電話にはすぐに応答せず、翌3日午後1時前、同庁麻布署に1人で来た。この間、同容疑者は泉田容疑者に「MDMAを抜く薬はないか」と依頼。生理食塩水を含んだ点滴を受けた疑いがある。