毎日jp より(以下一部抜粋) 


今年5月に56歳で死去した栗本薫さんの長編小説「グイン・サーガ」で、新展開を検討していることが8日発売された最終130巻「見知らぬ明日」 の解説で明らかになった。出版元の早川書房は「続編など新展開が決まっているわけではない。ただし遺族がそう思っているのは事実」としている。


 「グイン・サーガ」は79年から発行されているSF大河小説で、累計3500万部以上を発行し、世界最長のSF小説シリーズと言われる。豹頭 (ひょうとう)の戦士・グインを主人公に、多くの人物の愛憎劇、国家の興亡が描かれている。09年4月からアニメも放送されている。


 130巻は、本文の最後に「未完」と記して終わっている。栗本さんの夫で初代編集担当の今岡清さんが巻末の解説を執筆しており、栗本さんの病気が進み、30分とデスクに座れなかったにもかかわらず、懸命に執筆していたことも明かしている。


 また、栗本さんが新装版「グイン・サーガ」のあとがきで「……誰かがこの物語を語り継いでくれればよい」と書いていたことから、「グイン・サーガ の世界を舞台にした新たな物語が書かれても良いでしょうし、その世界が絵や音楽やゲームで表現されることがあってもよいでしょう。その意味で今年、グイ ン・サーガがアニメ化されたのも意味のあることであるように思えます」と物語がさまざまな形で語り継がれることを希望している。


 早川書房などは、5月26日の栗本さんの命日を「梓薫忌(しくんき)」とし、1~5月にかけて小説や画集などの関連書籍を発売する予定。