シネマトゥデイ より(以下一部抜粋)

 2007年の映画『ライラの冒険 黄金の羅針盤』の原作者であるフィリップ・プルマンが、このシリーズの続編の製作が断念されたことについて「非常に残念」とコメントした。

 この映画は、子役のダコタ・ブルー・リチャーズやニコール・キッドマン、ダニエル・クレイグら人気俳優たちの出演でも注目されたが、カトリック系 の宗教団体である北米カトリック連盟が、この映画が子どもたちに無神論を勧めているとして、劇場へ行かないよう、またプルマンの原作を読まないようボイ コット運動を呼びかけたことから、アメリカでは思ったほど興業成績が伸びなかった。結局、続編となる予定の第2作、第3作は映画化されないこととなってし まった。フィリップはイギリス・ウェールズ地方の新聞ウエスタン・メール紙の中で、「もしも製作断念が本当なら、非常に残念だ。あと2本の映画を観られた ら素晴らしいと思っていたのに」とコメント。またカトリック連盟の言葉に対し、「無神論を勧めているなんてばかげた話だ」と異論を唱えている。一方で、北 米カトリック連盟は「とても喜ばしい。興業成績が良くなければ続編の製作に影響するとわかっていた」とボイコットの成果を称えている。




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確かにヨーロッパ各国に比べてアメリカの興行成績はぱっとしなかったけれど、たとえボイコットがなかったとしてもヒットしたかどうかは甚だ疑問。映像は確かに素晴らしく美しいんだけど、ファンタジー作品として普遍性を備えているようには思えなかったから。私には物語自体にも魅力が感じられなかったし。


一番の問題は、キャラに若くて美しい男性がロクにいなかったせいではないかと(お子様とアダルトな紳士はいたが)。あと、熊だったし。熊よりは老人の姿でも人間型の魔法使いの方がよいわ。


エヴァ・グリーンやニコール・キッドマンといった超美人がたくさん出てるにもかかわらず、ヒロインは一人前の女性ではなく守られるだけの少女(ライラ)だったし。


何よりつまらなかったのは、ライラが「自分は守られて然るべきだ」と思い込んでいる上に、周囲もそれに従っていたこと。その理由が、彼女が「生まれつき特別な能力を秘めているから」ってんだから、なんかねー。生まれで全てが決まるんなら、生まれの悪い私なんかは生きてる価値がないってことになりますよね~。よくて生きていることを許されているだけの存在だわ、誰に許されてるのか知らないけど。


どうもね、どこがどうとはっきり指摘はできないのだけれど、私にとっては好ましくない作品でしたよ、「ライラ」は。


それでも映画はちゃんと最後まで見られたんだからまだマシかも(原作は最初の1章読まずして投げ出した)。