MovieWalker より(以下一部抜粋)
『バッテリー』(07)で映画デビューして以来、さわやかな好青年の印象が強かった林遣都が、吉田修一の小説を映画化した『パレード』(2月公開)で斬新な“男娼役”にトライ。髪も金髪にし、臆することなく大胆な演技を見せている!
本作は、藤原竜也を筆頭に、香里奈、貫地谷しほり、林遣都、小出恵介と、豪華俳優陣共演の群像劇。2LDKのマンションをルームシェアする、5人の若者たちの微妙な関係性を、『北の零年』(04)や『世界の中心で、愛をさけぶ』(04)の行定勲監督が精緻(せいち)に活写した意欲作である。
林が扮したのは、自称“夜のオシゴト”に勤務している18歳の男娼、サトル役。現在放映中の連ドラ「小公女セイラ」の三浦カイト役もそうだが、これまでの林は情熱を胸に秘めた好感度の高い役柄が多かった。でも、サトル役では熱いまなざしを封印し、どこか覚めた目付きで刹那的に生きる若者像を体現。中にはドキッとするような体を張ったシーンもあり、思わず目を疑うほどだ。
役柄が奇抜なだけに、当初サトル役のキャスティングは最後まで難航した。そんな中、林が行定監督に「これを演じなければ(俳優として)前に進めないと思った」と訴え、サトル役を手に入れたというのだから、意気込みも相当なものだっただろう。
端正な容姿に恵まれた俳優にとって、清潔感あふれる二枚目系の役柄を脱し、俳優としてのキャパシティーを広げる機会をもつことは重要だ。例えばかつて阿部寛が、つかこうへいの舞台「熱海殺人事件 モンテカルロ・イルージョン」のバイセクシュアルの刑事役で見事にハジケて注目され、以降、人気実力共に兼ね備えた俳優になっていったのは周知のとおりだ。