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より(以下一部抜粋)
良質で作家性の強い、いわゆる単館系映画が冬の時代を迎えている。国際映画祭などで高い評価を受けながらも、不況の影響で配給会社が買い付けに二の足を 踏んでいる作品が多いのが現状だ。そうした閉塞(へいそく)状況を打破しようと、東京・渋谷の単館系映画館「シネマライズ」が自ら海外から映画を購入し、 さらにインターネットで有料配信するという初の試みを始める。
■映画祭で見て感動
これまで「トレインスポッティング」「ムトゥ 踊るマハラジャ」などのヒット作を世に送り出してきたシネマライズだが、運営する泰和企業の頼(らい)光裕社長は「映画業界は非常に厳しい状況。何か新しい行動を起こさなくてはいけないと考えていた」と語る。
自ら買い付けた作品は、1月30日公開の米映画「フローズン・リバー」(コートニー・ハント監督)。貧しい2人の母親が高額報酬の見返りに不法移民を密 入国させていたという実話をもとにした作品で、2008年のサンダンス映画祭でグランプリを受賞したほか、09年のアカデミー賞では、オリジナル脚本賞の ほか、主演のメリッサ・レオが主演女優賞にノミネートされるなど高い評価を得ている。
頼社長は08年9月のトロント国際映画祭でこの映画を見て感動。「主要国で売れていないのは日本だけ」と聞き、「自分たちで上映しよう」と決めた。同社 では、仏映画「ポンヌフの恋人」などの日本公開の際に出資したことはあるが、契約からかかわったのは初めて。配給会社のアステアに協力してもらい、公開に こぎつけた。
■配給が次々に倒産
背景には、不況の波にのみ込まれた映画配給会社の厳しい現実がある。昨年4月にワイズポリシー、8月にはムービーアイ・エンタテインメントが相次いで倒 産。いずれもベネチア国際映画祭やアカデミー賞の受賞作を日本で公開してきた実績があっただけに、業界内に衝撃が走った。
ある配給会社の社員は「国際映画祭の受賞作はクオリティーは高いが、決して万人受けするものではない。最近は確実にヒットしそうな映画しか買わなくなった」と明かす。
そんな傾向に、頼社長は「良質な海外の作品への興味がどんどん薄れていくのが怖い」と危惧(きぐ)する。一つの打開策として、「フローズン・リバー」を 公開1週間後にデジタルテレビ向けネットサービス「アクトビラ」で有料配信する。頼社長は「映画館に行かなくても見られるというのは自殺行為かもしれな い。でも、素晴らしい映画をより多くの人に見てもらうことが映画に携わる私たちの“義務”だと思っています」と力を込めた。
良質で作家性の強い、いわゆる単館系映画が冬の時代を迎えている。国際映画祭などで高い評価を受けながらも、不況の影響で配給会社が買い付けに二の足を 踏んでいる作品が多いのが現状だ。そうした閉塞(へいそく)状況を打破しようと、東京・渋谷の単館系映画館「シネマライズ」が自ら海外から映画を購入し、 さらにインターネットで有料配信するという初の試みを始める。
■映画祭で見て感動
これまで「トレインスポッティング」「ムトゥ 踊るマハラジャ」などのヒット作を世に送り出してきたシネマライズだが、運営する泰和企業の頼(らい)光裕社長は「映画業界は非常に厳しい状況。何か新しい行動を起こさなくてはいけないと考えていた」と語る。
自ら買い付けた作品は、1月30日公開の米映画「フローズン・リバー」(コートニー・ハント監督)。貧しい2人の母親が高額報酬の見返りに不法移民を密 入国させていたという実話をもとにした作品で、2008年のサンダンス映画祭でグランプリを受賞したほか、09年のアカデミー賞では、オリジナル脚本賞の ほか、主演のメリッサ・レオが主演女優賞にノミネートされるなど高い評価を得ている。
頼社長は08年9月のトロント国際映画祭でこの映画を見て感動。「主要国で売れていないのは日本だけ」と聞き、「自分たちで上映しよう」と決めた。同社 では、仏映画「ポンヌフの恋人」などの日本公開の際に出資したことはあるが、契約からかかわったのは初めて。配給会社のアステアに協力してもらい、公開に こぎつけた。
■配給が次々に倒産
背景には、不況の波にのみ込まれた映画配給会社の厳しい現実がある。昨年4月にワイズポリシー、8月にはムービーアイ・エンタテインメントが相次いで倒 産。いずれもベネチア国際映画祭やアカデミー賞の受賞作を日本で公開してきた実績があっただけに、業界内に衝撃が走った。
ある配給会社の社員は「国際映画祭の受賞作はクオリティーは高いが、決して万人受けするものではない。最近は確実にヒットしそうな映画しか買わなくなった」と明かす。
そんな傾向に、頼社長は「良質な海外の作品への興味がどんどん薄れていくのが怖い」と危惧(きぐ)する。一つの打開策として、「フローズン・リバー」を 公開1週間後にデジタルテレビ向けネットサービス「アクトビラ」で有料配信する。頼社長は「映画館に行かなくても見られるというのは自殺行為かもしれな い。でも、素晴らしい映画をより多くの人に見てもらうことが映画に携わる私たちの“義務”だと思っています」と力を込めた。