MovieWalker
より(以下一部抜粋)
>17日(現地時間)に開催された第67回ゴールデングローブ賞(GG賞)は、『タイタニック』(97)以来賞レースで御無沙汰だったジェームズ・キャメロン監督が、ドラマ部門最優秀映画作品賞と監督賞で12年ぶりに復活を果たすというドラマティックな展開になった。
今回のGG賞は前評判でも“ダントツの最有力候補がない”と言われていた通り、昨年の『スラムドッグ$ミリオネア』(08)のように各賞を席巻するような圧倒的な作品がなかったことで、各賞が各作品に分散したのも特徴だ。
とは言え、最近の傾向を見ると各賞レースの結果とダブる傾向が強かったため、監督賞も作品賞も前評判では、キャサリン・ビグロー監督の『ハート・ ロッカー』もしくは『マイレージ・マイライフ』が有力候補と考えられていた。『アバター』で監督賞を受賞したキャメロン監督が、「(『ハート・ロッカー』 を撮った元妻の)キャサリン・ビグロー監督が取ると思っていたから、スピーチは考えていなかった」と驚いた様子を隠さなかったのはそのためだろう。
しかし一方で、GG賞は各国出身のジャーナリストが選定し、華やかさや興行成績を重視する一面があるのも事実。「映画は、世界中の人々を楽しませる ためのエンターテインメントであるべき」というキャメロン監督の持論通り、映画史を塗り替えようとしている『アバター』の実力が大いに評価された結果と なったのは、同賞の特徴とも言える。
そして“復活劇”といえば、今まで無冠だったベテラン俳優の活躍が目立ったのも特徴。ここ数年は、新人が突然同賞を受賞するケースも目立ったが、ド ラマ部門主演男優賞に輝いた『Crazy Heart』(原題)のジェフ・ブリッジス、『しあわせの隠れ場所』で同主演女優賞を受賞したサンドラ・ブロック、そして『シャーロック・ホームズ』で ミュージカル・コメディー部門の主演男優賞に輝いたロバート・ダウニー・Jr.はいずれも、長い俳優生活の中で初の栄冠を勝ち取った。
一方、『ジュリー&ジュリア』でミュージカル・コメディー部門の主演女優賞を受賞したメリル・ストリープは、常連。同賞の史上最多となる25回目の ノミネートで、7回目の受賞という快挙を成し遂げている。初受賞の3人と合わせて4人とも、“若さ重視”のハリウッドにベテランの底力を見せ付けてくれ た。
このような予想外の展開の中で、助演男優賞と助演女優賞は例外。これまで各賞を席巻してきたクリストフ・ヴァルツ(『イングロリアス・バスター ズ』)とモニーク(『プレシャス』)が受賞するという圧倒的な強さを見せ付けており、このふたりに限っては、アカデミー賞もほぼ間違いないと言われてい る。
GG賞が終わると、気になるのは2月2日(現地時間)にノミネート発表されるアカデミー賞。最近は双方の賞の受賞者がダブるケースが目立っているが、こちらも意外な展開が待っているかもしれない。