シネマトゥデイ より(以下一部抜粋)

>28日、北海道夕張市で実施中のゆうばり国際ファンタスティック映画祭2010のメイン会場となるアディーレ会館ゆうばりで、本映画祭クロージング上映となるロバート・ダウニー・Jr主演の映画『シャーロック・ホームズ』が上映。その後に閉会式が執り行われ、本映画祭審査委員のジョニー・トー監督、俳優の石橋凌、韓国プログラミング・ディレクターのチョン・スワン、アメリカプログラミング・ディレクターのマーク・ウォルコウ、山下敦弘監督らが登場した。

 朝には雪が舞い、寒さが厳しかったこの日の夕張だったが、会場内は熱気に包まれていた。閉会式では、ゆうばり映画祭のメイン企画となるオフシアター・コンペティション部門グランプリが発表となり、356本の中から奥田庸介監督の映画『青春墓場~明日と一緒に歩くのだ~』が選ばれた。過去に2度応募したが、グランプリからは落選。3度目の挑戦にしていよいよ栄光をつかんだ奥田監督は結果を聞くと崩れ落ちて号泣。「本当にきつかったです」というのがやっとだった。1986年生まれの23歳となる異色の監督は終始、気持ちが高ぶっており、涙、涙の受賞式となった。その後の報道陣への取材では「今回、受賞できなかったら、死んでやるくらいの覚悟を持ってきてたから、受賞したときに我慢できませんでした。フォローしてくれたスタッフを裏切ることにならなくて本当にうれしいです」と喜びのコメントを語り、今後の活躍へ決意をにじませてしていた。


 そして本年度審査員長を務めたジョニー・トー監督は、「すごく楽しんで撮っていて、肩の力が抜けている。監督としてはそれが一番重要なことです」と選出した理由をコメント。グランプリをとった奥田監督には、次回作の製作支援金として200万円が授与されることになっている。「デリバリーヘルス」の話にしたいと話す奥田監督の次回作が今から楽しみだ。


 2月25日から3月1日まで、北海道夕張市にて開催されているゆうばり国際ファンタスティック映画祭2010もいよいよ終盤戦。オフシアター・コンペティション部門グランプリも決定し、いよいよ明日、3月1日に映画『ばかもの』(金子修介監督内田有紀主演)と、今回のグランプリ作品『青春墓場~明日と一緒に歩くのだ~』の上映が行われ、ゆうばり映画祭2010全体の幕を閉じる。(取材・文:壬生智裕)


■オフシアター・コンペティション部門受賞結果は以下の通り

グランプリ:映画『青春墓場~明日と一緒に歩くのだ~』(奥田庸介監督)
シネガー・アワード:映画『脚の生えたおたまじゃくし』(前野朋哉監督)
北海道知事賞:映画『壁』(ヒョン・スルウ監督)
審査員特別賞:映画『脚の生えたおたまじゃくし』(前野朋哉監督)