シネマトゥデイ より(以下一部抜粋)

>第82回のアカデミー賞を目前に控え、気になるのは賞の行方だが、アカデミー賞では俳優自身の普段のキャラクターか らは想像できないほど肉体的にも精神的にも役に成り切り、審査員に強い印象を与えたキャラクターが女優・男優賞など賞をとる傾向にある。

 過去をさかのぼればロバート・デ・ニーロが27キロの体重増量で挑んだ『レイジング・ブル』では第53回アカデミー賞で主演男優賞を獲得。近年で は、正統派美人として有名だったシャーリーズ・セロンが『モンスター』で10キロ以上の体重増加を行い醜女メイクで実在の女シリアルキラーを熱演し、主演 女優賞に輝いたのも記憶に新しい。また、作品賞や助演男優賞など4部門受賞した『ノーカントリー』で一度見たら忘れられないおかっぱ頭(なんと地毛!)の 不気味な猟奇殺人鬼を演じきったハビエル・バルデムも助演男優賞を受賞、一見して本人とすぐにわからないほど役に没頭した俳優が女優・男優賞を受賞してい る。


 今年もノミネートされている俳優陣を見ると徹底した役づくりで成り切っている俳優がやはり女優・男優賞の有力候補といっていい。『インビクタス/ 負けざる者たち』で俳優賞にノミネートされているモーガン・フリーマンは南アフリカ大統領を演じるにあたり、普段の生活を一変させ、ネルソン・マンデラ元 大統領の生活習慣をそっくりそのまま自分の生活に取り入れた。『ハート・ロッカー』で強心の兵士を演じきったジェレミー・レナーも以前 『S.W.A.T.』に出演した際、実際に軍隊に入隊して役作りに励んでいただけありリアルな演技は兵士そのものだ。主演女優賞は、本人そのままのキャラ クターが生かされている女優陣が多いが『しあわせの隠れ場所』のサンドラ・ブロックの肝っ玉かあさんぶりは彼女にとってはいままでにないキャラで新境地を 開いたといえる。


 また、俳優賞にノミネートこそされてはいないが『イングロリアス・バスターズ』では、普段穏やかなブラッド・ピットがハイテンションでクレイジー なアルド・レイン中尉を演じきり作品も引き立てている。また、本人の役づくりとは少し違うが『アバター』の俳優陣などはみごとな3D技術でまったく別の種 族へと変ぼうしている点にも注目だ。


第82回アカデミー賞授賞式は日本では3月8日にWOWOWにて独占放送される