毎日jp より(以下一部抜粋)

 

ボクシングマンガの名作「あしたのジョー」が、アイドルグループ「NEWS」の山下智久さん(24)主演で実写映画化されることが明らかになった。山下さん演じる矢吹丈を指導する丹下段平を香川照之さん(43)が演じる。


 「あしたのジョー」は68~73年、高森朝雄(梶原一騎)さん原作、ちばてつやさん画で「週刊少年マガジン」(講談社)に連載、累計2000万部 を売り上げたマンガ。70~71年と80~81年にテレビアニメが2度にわたって放送され、劇場版アニメも80年、81年と公開されて子供から大人まで多 くのファンに愛されてきた。


 昭和40年代の東京、矢吹丈(山下さん)の天性の身のこなしを見て、アル中の元ボクサー・丹下段平(香川さん)はボクサーとしてのセンスを見いだ すが、丈は問題を起こし、刑務所へ入ってしまう。丈は、プロボクサーの力石徹と運命の出会いをし、段平からは「あしたのために」の書き出しで始まるボクシ ングの練習方法をつづった手紙が届けられ、力石に勝つために懸命に体を鍛え始める。刑務所の中で行われた試合で引き分けた2人は、出所後、それぞれの階級 でプロボクサーとして成長し、丈は「ノーガード戦法」を得意とする人気ボクサーに。そして力石は世界タイトルに手が届くところまで昇り詰める。力石は世界 戦の前に丈との対戦を望み、ジムのオーナー白木葉子を困惑させるが、その熱意は階級を越えた対決を実現。ジョー対力石の運命の決戦が始まった……というス トーリー。


 山下さんは「とても大きな作品を自分が演じられることを、とてもうれしく思います! 原作本を読ませていただきましたが、『あしたのジョー』とい う偉大な作品を傷つけないよう今の自分にできることをすべて一生懸命やります!!」と意気込みを語っている。香川さんは「私生活でボクシングを30年間見 守り続けてきたのは、この役のためではなかったかとさえ思う。リアルなボクシング映画、リアルな段平を狙いたい。ボクシングへの情熱から自然と生まれるア イデアと出合えることを楽しみにしている」と並々ならぬ意欲を見せている。


 「ピンポン」(02年)や「ICHI」(08年)などで知られる曽利文彦監督がメガホンをとる。曽利監督は「あまりにも巨大な原作を、再び映画と いう形で若い世代へ伝えるという大役を任され、心からの感謝と興奮に打ち震えています。あえてこの矢吹丈に挑もうという、それほどの勇気ある役者が実在す るとは正直思っていませんでした。ところが山下智久さんという存在は、恐れるどころか誰しもが不可能と思っていた『あしたのジョー』映画化を一気に実現へ と押し上げました。監督としてではなく、男として山下さんの決断に惜しみない称賛を贈りたいと思います」と語っている。


 ちばさんも「40年も前に発表された作品を、それもマンガから実写へ訳し直すということは、想像を超えた困難を伴うに違いない。もはや(原作の) 高森さんやボクの手から巣立って行ったジョーや力石、葉子、段平たちが、平成の時代にどのように解釈され、生身の役者さんたちに演じられ、体温を伴った キャラクターとして命を吹き込まれるのか。映画が大好きな一人の観客として、その出来上がりを心待ちにしている」と期待を寄せている。映画は今秋に完成 し、11年に全国東宝系で公開予定。