シネマトゥデイ

> 日本でも大ヒットを記録した映画『2012』のDVD&ブルーレイ発売を記念して、監督のローランド・エメリッヒに 話を聞いた。

 映画『インデペンデンス・デイ』『デイ・アフター・トゥモロー』とディザスター映画の代表的監督ともいえるエメリッヒ監督。前々から西暦にかかわ る映画を作りたいと思っていたそうなのだが「パラマウント社が2012年を題材にした映画を作っているとのウワサを耳にして、これは負けていられないと 思った」と製作の直接的きっかけを明かす。


 地震や津波など、本作に登場するディザスターシーンはすべて最新鋭のCGとVFXで作られ、ありとあらゆる自然災害が劇中で巻き起こる。ちなみに エメリッヒ監督は、カエルが空から降ってくる場面を作りたかったそうなのだが断念したという。それはモーゼがカエルを大量発生させ、エジプト中を埋め尽く すという旧約聖書の中のエピソードをまねたものらしいのだが、「聖書色が強すぎるために止めた」とのこと。なおディザスターシーン製作のための費用は、日 本円にして約77億円。これは映画製作費の40パーセント以上を占めるほどの高額だが、「こういったたぐいの映画ならば至極当たり前」の金額らしい。


 CGやVFXが発達し、映画はついに驚異的な3D表現の世界へと突入している。これまでの作品群から考えれば、エメリッヒ監督ほど3D映画向きな 監督も珍しい。しかしエメリッヒ監督は「個人的に、映画に何の効果ももたらさないような気がする」と3D映像に懐疑的だ。さらに「3D映画を観るたびに頭 が痛くなるんだよね」とそもそも体が受け付けないらしい。最後には「マジックマッシュルームを使用したら、すべてのものが3Dで見えるのかもしれないね」 と際どいジョークも飛び出した。


 そんなエメリッヒ監督が世界中で大ヒットさせた映画『2012』。もしエメリッヒ監督の気が変わって3D映画を製作したとしたら? そんなことを 想像しながら、自宅でじっくりと本作のダイナミックな映像を堪能するのもいいだろう。


DVD&ブルーレイ『2012』は3月19日、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントより発売(DVD:税込み1,980円 / ブルーレイ:税込み2,980円)