「アリス・イン・ワンダーランド」公式サイト

見て参りました、3D字幕版。
3Dに関しては、前にも書きましたが見慣れてしまったのかそれとも見た位置が悪かったのか、とにかく特に3Dである必然性を感じなかったというのが本音。

仮に3Dで見る価値というのがあるとするなら、同じディズニーなら「スパイアニマルGフォース」の方が「アリス」よりもずっと上だったのではないかと。

もちろんそれと作品の価値は別物ですが、こちらに関してはティム・バートンのファンは勿論、子どもの頃に小説の「アリス」に出会って胸躍らせた記憶を持つ人なら誰でも満足できるのではないかと思います。

「アリス・イン・ワンダーランド」を見て、何故自分が子どもの頃あんなにも「不思議の国のアリス」に夢中になったのか、私ははっきりと理解できましたから。

アリスは少女でありながら実に勇敢で……そして信じられない程むこうみず! 

この恐れを知らぬむこうみずっぷりがアリスの魅力の本質で、そしてそれをティム・バートンがこの映画で明らかにしてくれたのでした。アリスは少女の姿をした永遠のヒーローなのですね♪

それはまあ、まだ御覧になってない方には御自分の目で確かめて頂くとして、見ている内にあれっ? と思ったのが「ロード・オブ・ザ・リング」との類似でした。

冒頭、アリスのお父さんのチャールズ(ルイス・キャロルの本名からとったと思われます。アリスは彼の娘ではなかったけどね)が出てくるのですが、その顔よく見たらなんとお懐かしやケレボルン様だったのですよ。ええ、「ロード・オブ・ザ・リング」に出てくるエルフの王様。俳優さんはマートン・ソーカス(チョーカス)といって「ボーン・スプレマシー」にも出演しているのですが、大作で見る時はいつも出番が少ないのが悲しい方で……いやいやいや。

それはおいといて、マートンはエルフから悪党まで幅広く演じ分ける事のできる名優ですが、本作で見た時の表情がまるでケレボルンそのままに清浄で美しい、気品にあふれた愛情深いお父様だったのですよ。つまり完全に現実を離れたファンタジーのお顔なんですね。

もちろん「アリス・イン・ワンダーランド」はファンタジー作品に間違いないのですが、それでも「ロード」に共通する雰囲気を持っているというのはかなり特殊な事です。

「ロード」も「アリス」も原作者はイギリス人ですから世界観が共通しているのかもしれませんが、かなり似たような場面が幾つも出てくるのですね。クリストファー・リー御大もご出演だし(「ロード」ではサルマン。「アリス」では内緒♪)。テーマそのものはまるで違っているのですが、登場人物の大きさ(背の高さ)がまちまちだったり世界が二つの軍勢に分かれて争ったりというシチュエーションがよく似ているのです。

例えて言うならティム・バートンが自分好みにパースペクティブを歪め偏った色彩で表現した「ロード・オブ・ザ・リング」。色彩的には「スウィーニー・トッド」とあんまり変わらず、緑色(「ロード」の特徴)が全く出てこない、目に優しくない映画ではあります。そのかわり衣装デザインはものすごく素敵でしたけれど♪

ティム・バートンの作品としては「ビッグ・フィッシュ」に程近い感じかな? あまり激しくないので、そっちの方面を求める人には少々物足りないかもしれません。

私は充分楽しめましたけどね♪

さて、次は2Dだとどう見えるのかを確かめに行かなくっちゃ! 吹き替え版しかないのががっかりなんだけど。



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