「タイタンの戦い」公式サイト

この作品、制作決定の時から楽しみにしてて、「ターミネーター4」や「アバター」を見て俳優サム・ワーシントンの魅力に心惹かれてからはさらに期待してたんですが、もう、その期待を遙かに凌駕して
満・足
の一本でした。

事前にちょっとだけ心配だったの監督のルイ・レテリエの実力を測りかねていたからなんですが、彼の前作のハルクが何かもひとつ足りなかった理由というのがよくわかりましたね。

この監督、超絶美形好き。
出てくる俳優は皆美しく、現れるクリーチャーもそれは皆美しいのです。

この場合の「美しさ」というのはバランスというかプロポーション、要するに「均整の取れた形」です。

んでもって、レテリエ監督の求めるその美と私の信奉する美とが完全に合致しているのですわ。他の方がどう思うかはいざ知らず、一本の映画でこれだけ自分の美的感覚を満足させて貰えるなら何の文句もありませんわ。

大体サム・ワーシントンを起用する監督って私と美意識が共通しているらしくって、「T4」も「アバター」もその美しさに酔ったものです。この美意識というのは映像だけじゃなく作品全体をも貫くものなので、ストーリーも音楽も美術も衣装も全て最高。シネコンの座席に座っているだけで至上の快楽を味わっているようなものです。

レテリエ監督にとって、「ハルク」に欠けていたものはハルクの美ですね。敵キャラも然り。彼らはアメコミが原作で、がっちり決まった絵をモデルとして有しているから他にどうしようもなかったのでしょう。ま、均整がとれたスマートなハルクじゃハルクじゃないし(そういうのはスーパーマンが担当している)。

それでもレテリエ監督が「ハルク」をおもしろい映画に作ることができたのは(おもしろいんですよ)、監督にとってもう一つの大事な要素を原作が備えていたから。

ハルクって、緑の巨人なんです。

レテリエ監督にとって大事だったのは緑じゃなくて巨人の方。

この方、大きなものを撮るのが大好きなんですわ。

大きなものを撮るのが好きで、しかも上手な監督にはマイケル・ベイがいて、彼の「トランスフォーマー」もそりゃおもしろくて見応え充分なんですが、やっぱり異星から飛んできた超ロボット生命体よりも地球上の生物がそのまんまでっかくなったようなヤツらの方が親近感湧くじゃないですか。

そう、日本人にとっての特撮、巨大生物、それは怪獣!

巨大でかつ動く物が出てくる映画を見ると常に怪獣好きの血が騒ぐ私ですが、なかなか心底満足させてくれる作品には出会えません。最近見た中では「パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト」が一番でした。「グエムル」や「クローバーフィールド」では何かが足りないんですね。

でもこの「タイタンの戦い」の満足度は200%!
なんで200%かっていうと、丁度「デッドマンズ・チェスト」と「スターシップ・トゥルーパーズ」を足した感じだから。

私、映画見ながら途中から歓喜のあまりケタケタ笑ってたような気がする(←迷惑だからやめなさい)。

怪獣映画2本分に匹敵する興奮に加え、ただの怪獣映画では得られない美意識に満ちた映像。これだけでもスゴイのに、さらにまだ素晴らしい点があるんですよ。

それは見終わったあとの爽快さ!

これは「パイレーツ・オブ・カリビアン」第1作に匹敵するものですね。

悪い奴は全部退治されて、いい人はその働きをちゃんと認めて貰える。単純明快で、もうそれ以上あれこれ悩む必要なし!

この時代、そういうストーリーで観客を納得させかつ楽しませるのって至難の業だと思うんですが、レテリエ監督、みごとにやっちゃってくれました! そりゃ全米で大ヒットするわけだ~。暗い気分をすっかりどこかに吹き飛ばしてくれるほど、「タイタンの戦い」はおもしろいのです!


「アリス」の2Dを見て、2Dの方が見やすいかもと思って「タイタン」も初日はまず2Dで見たんですが、見るとやっぱり3Dだとどうなるのかな、なんて比べたくなってしまいます。いずれ3Dでも見ると思うけれど、しばらくは2Dでリピーター決定で~す♪

2Dでも3Dでもどっちでもいいから、とにかくスクリーンで見て! そして何も考えずにペルセウスの冒険を手に汗握って追いかけましょう!




Who killed Cock Robin?