ティム・バートン (「アリス・イン・ワンダーランド 」)とティムール・ベクマンベトフ (「ウォンテッド 」)が製作を務めたCGアニメーション「9 ナイン 9番目の奇妙な人形 」。終末世界を舞台に、1番から9番 までの番号がふられた人形たちの冒険を描く同作で、製作者2人に負けないビジュアルセンスを発揮し、長編監督デビューしたシェーン・アッカー に話を聞いた。
71年生まれの アッカーはかなりの長身だが、人形になって映画に登場しそうな雰囲気の持ち主。同作は、CGアニメであるにもかかわらず「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス 」のようなパペット・アニメに見 える。
「それを目指したんだ。僕はパペット・アニメが大好きで、ヤン・シュバンクマイエル も、クエイ兄弟も尊敬している。パペッ ト・アニメの魅力は質感にある。本当に触れることができそうな感じ、僕らの世界にあるものでできている感じが魅力だと思う。もうひとつ、パペット・アニメ の魅力は人形に無垢(むく)さがあること。たとえ奇妙な雰囲気のクエイ兄弟の作品でもね。その無垢な感じを9たちに与えたかった。彼らは生まれたばかりの 子どものようなものだから」
プロデューサー2人は、アッカー監督の尊敬するクリエイターでもある。「2人はこの映画のゴッドファーザー だ。2人が教えてくれたのは、ビジネスの中での映画の作り方。どうやったら自分を表現できるのか、そういう環境の作り方を教えてくれたんだ」。そして、こ の映画にはバートンへ捧げるオマージュも含まれている。「人形の6は、ティムへのオマージュなんだ。クレイジーな髪型で、言葉でいいたいことを表現するの がヘタで、自分のつくる作品で自分を表現するのが、ティムみたいだろう? ティムのキャラはよく白黒のボーダーの服を着ているから、6が着ている服も縞模 様なんだ。ストライプだけどね」
「9 ナイン 9番目の奇妙な人形 」はギャガ配給で、5月8日から全国で公開。