オ
リコン
『アリス・イン・ワンダーランド』が世界中でメガヒットしているティム・バートン監督が注目する新しい才能。それが彼、シェーン・アッカー監督だ。
『9<ナイン> ~9番目の奇妙な人形~』場面写真
2005年米アカデミー賞短編アニメーション賞にノミネートされたアッカー監督のオリジナル短編映画『9』は、当時UCLAの学生だった彼が、アニメー ション課程の卒業制作として完成させた作品。これを観るべくして観たバートン監督は「これまでの人生で観た映像の中で、最高の11分間だった」と衝撃を受 け、同作の長編化を促し、全面的なバックアップにあたった。
それから約4年半に及ぶ制作期間を経て完成したのが、5月8日に公開される『9<ナイン>9番目の奇妙な人形』。日本公開を前に来日したアッカー監督が 作品について語ってくれた。
◆ダーク・ファンタジーで浮き彫りにする"人間らしさ"
物語の舞台は人類滅亡後の未来。古びた研究室の片隅で、麻布を縫い合わせて作られた人形が目を覚ます。荒涼とした廃墟で仲間と出会い、モンスターと化し た巨大な機械獣に襲われながらも、さらわれた仲間を救うために勇気を奮い立たせる。
アッカー監督の頭の中に最初に浮かんだのは人形のキャラクターだった。「人類が滅びた後の世界に生きる彼らは、マシンと人間の要素を併せ持つ生命体の進 化型。人間特有のクリエイティビティを受け継ぎ、新しい文明を築こうとしているようにも見える、そんなキャラクターさ」。
見た目はボロ人形だが、数字が名前代わりのキャラクターは、"1"がグループのリーダー、"2"はお人好しの老いた発明家、"3"と"4"は好奇心旺盛 な双子、"5"は小心者のエンジニア、"6"は風変わりな芸術家、"7"は自立心旺盛で勇敢な女戦士、"8"は腕力自慢の用心棒、そして主人公の"9"は 直感でグループを突き動かす革命家だ。
そんな彼らの前に巨大な機械獣が現れる。人類はなぜ滅びたのか? 9体の人形は何のために作られたのか? 人形たちと機械獣の戦い中で、次第に明らかに なっていく謎。ダークでファンタジックな世界観の中で浮き彫りにされるもの。「機械獣が欲しいのは9体の奇妙な人形たちが持っている"人間らしさ"なん だ」とアッカー監督は言う。
◆『9<ナイン>』は日本のアニメ作品へのオマージュ
いまや日本のアニメーションは世界中に広がり、海外にも多くのファンがいるのはよく知られているが、アッカー監督もご多分に漏れず、日本のアニメーショ ンの洗礼を受けている。
宮崎駿、大友克洋、浦沢直樹…、アッカー監督は次々と名前を挙げ、「オリジナリティあふれる世界観やドラマ性のあるストーリーに長けた日本の漫画やアニ メから、たくさんのインスピレーションを受けて、今の僕がいる。『9<ナイン>』は日本のアニメーションへのオマージュでもある」と話す。
だからこそ、日本での公開を控え、アッカー監督の心境は複雑だ。「日本で劇場公開されるのは、すごく光栄に思う。日本の方々がこの作品を受け入れてくれ るか、どんな反応を示すか、息を飲んで待っているそんな気持ちですね。とても謙虚な気持ちにさせられます」。
「どこかリアリティがあって、視覚的にも感情的も観客に響くキャラクターが登場するファンタジー映画を作っていきたい」と、今後の抱負を語るアッカー監 督の表情は明るく、長編作品を完成させた自信と希望にあふれていた。
映画『9<ナイン>9番目の奇妙な人形』は5月8日(土)より全国公開。東京・新宿ピカデリーでは『9』にちなんで、5月9日(日)のみ全ての上映会で 本編上映前にティム・バートン監督が衝撃を受けた短編を上映する。
『アリス・イン・ワンダーランド』が世界中でメガヒットしているティム・バートン監督が注目する新しい才能。それが彼、シェーン・アッカー監督だ。
『9<ナイン> ~9番目の奇妙な人形~』場面写真
2005年米アカデミー賞短編アニメーション賞にノミネートされたアッカー監督のオリジナル短編映画『9』は、当時UCLAの学生だった彼が、アニメー ション課程の卒業制作として完成させた作品。これを観るべくして観たバートン監督は「これまでの人生で観た映像の中で、最高の11分間だった」と衝撃を受 け、同作の長編化を促し、全面的なバックアップにあたった。
それから約4年半に及ぶ制作期間を経て完成したのが、5月8日に公開される『9<ナイン>9番目の奇妙な人形』。日本公開を前に来日したアッカー監督が 作品について語ってくれた。
◆ダーク・ファンタジーで浮き彫りにする"人間らしさ"
物語の舞台は人類滅亡後の未来。古びた研究室の片隅で、麻布を縫い合わせて作られた人形が目を覚ます。荒涼とした廃墟で仲間と出会い、モンスターと化し た巨大な機械獣に襲われながらも、さらわれた仲間を救うために勇気を奮い立たせる。
アッカー監督の頭の中に最初に浮かんだのは人形のキャラクターだった。「人類が滅びた後の世界に生きる彼らは、マシンと人間の要素を併せ持つ生命体の進 化型。人間特有のクリエイティビティを受け継ぎ、新しい文明を築こうとしているようにも見える、そんなキャラクターさ」。
見た目はボロ人形だが、数字が名前代わりのキャラクターは、"1"がグループのリーダー、"2"はお人好しの老いた発明家、"3"と"4"は好奇心旺盛 な双子、"5"は小心者のエンジニア、"6"は風変わりな芸術家、"7"は自立心旺盛で勇敢な女戦士、"8"は腕力自慢の用心棒、そして主人公の"9"は 直感でグループを突き動かす革命家だ。
そんな彼らの前に巨大な機械獣が現れる。人類はなぜ滅びたのか? 9体の人形は何のために作られたのか? 人形たちと機械獣の戦い中で、次第に明らかに なっていく謎。ダークでファンタジックな世界観の中で浮き彫りにされるもの。「機械獣が欲しいのは9体の奇妙な人形たちが持っている"人間らしさ"なん だ」とアッカー監督は言う。
◆『9<ナイン>』は日本のアニメ作品へのオマージュ
いまや日本のアニメーションは世界中に広がり、海外にも多くのファンがいるのはよく知られているが、アッカー監督もご多分に漏れず、日本のアニメーショ ンの洗礼を受けている。
宮崎駿、大友克洋、浦沢直樹…、アッカー監督は次々と名前を挙げ、「オリジナリティあふれる世界観やドラマ性のあるストーリーに長けた日本の漫画やアニ メから、たくさんのインスピレーションを受けて、今の僕がいる。『9<ナイン>』は日本のアニメーションへのオマージュでもある」と話す。
だからこそ、日本での公開を控え、アッカー監督の心境は複雑だ。「日本で劇場公開されるのは、すごく光栄に思う。日本の方々がこの作品を受け入れてくれ るか、どんな反応を示すか、息を飲んで待っているそんな気持ちですね。とても謙虚な気持ちにさせられます」。
「どこかリアリティがあって、視覚的にも感情的も観客に響くキャラクターが登場するファンタジー映画を作っていきたい」と、今後の抱負を語るアッカー監 督の表情は明るく、長編作品を完成させた自信と希望にあふれていた。
映画『9<ナイン>9番目の奇妙な人形』は5月8日(土)より全国公開。東京・新宿ピカデリーでは『9』にちなんで、5月9日(日)のみ全ての上映会で 本編上映前にティム・バートン監督が衝撃を受けた短編を上映する。